第37話
「取りあえず、この部屋、自由に使っていですよ」
葛道はほくほくした顔で、スマホを弄り始めた。
「ということだ」
大佐は俺の方をむいて、咳払いをしながら言った。
「そうみたいですね」
俺は淡淡と返した。
それからは大佐と俺は話し始めた。
取り調べと言うが、取り調べというよりも、なんだか、面談のようで、不思議な感じ。
「君は何を為ていたんだい?」
大佐は、手帳を開きながら、問いかけてきた。「えー、ただ学校から帰宅する途中でしたよ」
俺はふてくされるわけでもなく、ただ質問されるだけになり、まるで、アがつく、AIさんではなく、サイトウさんになっていた。
「ということはあちら側から完全に、近づいてきたわけだ」
「そういうことになりますね」
あのカウボーイはさすがに濃すぎた。
俺は頭の中で、あの外国の人を思い出した。
カウボーイという名の格好をした人間は、初めてみた。
というか、どこかのアニメの玩具映画の登場キャラみたいで、思い出しているとそれにしか見えなくなってしまう。
俺はにやけるのを我慢しながら、大佐の方をみた。
大佐は手帳にメモを書き終えると、再度、質問をし始めた。
「で、彼は君の事を勧誘しようとしていたわけだ」
「そうですね。怖かったですよ」
俺は淡淡と本音を言った。
だが大佐は何も言うことなく、ただメモを獲っていく。
「すいません、大佐」
俺は気になる事があり、口を開いた。
「なんだね?」
「服も完全に乾いたので、そろそろ帰りたいんですけど」
俺は軽くジャブ並みの抗議をした。
「ダメだ」
反対から読んでも同じ、却下の声を頂いた。
ですよね。
俺は内心で、クソ、早く帰りたいなどと、考えながら口を閉じた。
横目をみると、さきほど新たに手にいれたスマホに夢中になっている年頃の女子がいた。
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