憧憬
ゴミ呼ばわりの自転車のハンドル
腐った池の中に
ドボンッ と棲みついて
早 数年
汚臭に閉ざされた未来に
彼は涙しているに違いないのだ
等しく陽の光を浴びているのだから
棄てられた 棄てられた
今日も 誰かの何かが棄てられた
ゴミ と呼ばれて
また棄てられた
ああ さようなら
安らかであれ 安らかであれ
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