第37話 さよならのあとで3
現在、勤めている会社は、宮城に勤務場所はない。悔しいけど、辞めるしかないのかな。
彼女とはどうする?今の福祉の仕事をずっと続けたいって、いつも言っていたよな。
どうしたのかな?暗い顔してる。なんか悩んでいるみたい。何にも話してくれないからわからない。
お願い、何でも話して。二人で話せば、きっと解決できるはず、あなたのためなら何でもするから。
無理して笑わないで。胸が痛くなるから。太陽みたいなあなたの笑顔が、大好きなのに。
二人でいても、話していても、ふっと下を向くあなた、悲しそう。何かあったの?そう聞いても、何でもないよと微笑むあなた。あなたの悲しい顔、見たくないの。
言えないよ、俺のためにきみの仕事を辞めてくれなんて。福祉の仕事を続けていきたいって瞳を輝かせていたよな。
宮城にも福祉の仕事はある。でも今の職場にやりがいを感じてるって言ってたもんな。
俺の側に居て欲しい女性は、きみだけしかいないんだ。でもこんな状況になると、俺は母さんを捨てて君をとるとは言えないんだ。
しょうがないのかな。諦めるしかないのかな。でもね。忘れないよ。きみのこと。
きみと出会ったこと、きみと過ごした時間、きみの声、きみの笑顔。絶対忘れない。
あなたの友達から聞いたの。お母さんが倒れたって。
どうして私にちゃんと話してくれないの?あなたへの気持ちを信じてほしい。
あなたのためなら何でもできるわ。あなたのために何でもしたいの。
だからお願い、話してください。なぜなの?ちゃんと話してもらえないのは。
嫌われちゃったのかな?いつも私に言ってくれたあなたの言葉。好きだよって、言ってくれないね。
もしかしたら・・・・・
私たち別れなくちゃいけないの。
イヤよ。あなたと別れたくない。
いろんな方法を考えたよ。母さんに東京に来てもらうことも。でも無理だった。祖父ちゃん、祖母ちゃん、ご先祖様のお墓も宮城にあるから。
ご先祖様のお墓を守ることが母さんの唯一の願いなんだ。お前は東京で暮らしなさい。
母さんは一人で大丈夫だからって。
大丈夫なわけない。一人でトイレにも行けないのに。ヘルパーさんに任せておけないよ。俺を育てるためだけに人生の全てをかけてきた母さんだから。
悔しいけど、悲しいけど諦める。それしかないのだから。
さよなら、俺の大好きな人。
さよなら、俺の一番大事な人。
桜の花がちらほら開き始めた。2、3日暖かな日が続くと、あっという間に満開の桜が咲き誇る。
いつも暗い顔をしていたあなたが、桜を見に行こうって声をかけてくれたとき、わかったの。
たぶん、きっと・・・・・
その日がさよならの日だって。
私の勘違いであれば嬉しいけれど。
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