第二十話ピンチの初詣
「んー朝か~」
「あれ、みんな居ない……」
ほたるは階段を降りてリビングに向かう途中ゆりかに会った。
「おはよ~」
「おはよーほたるちゃん」
「みんな朝ごはん食べてるよ、ほたるちゃんも食べてね!」
「うん、わかった」
そう言うとゆりかはトイレの方へ行ってしまった。
「相変わらずこの家広いな~ 私のアパートなんかワンルームなのに」
廊下には高そうなツボや絵が飾ってあり、ほたると住む世界が違うということを感じた。
リビングに着くとテーブルにはおせちとお雑煮が並んでいてにちかとめいひは食べ始めていた。
「おはよー」
「やっとほたる起きたか~」
「ほたるちゃん起こそうとしても全然起きないから~」
「ごめんごめん」
「うわーおせち美味しそう!」
「いただきまーす」
「おいし~い」
「やっぱりおせちって良いよね~」
「うん、おせちって縁起のいいものが入ってるからそういう意味でも良いらしいよ」
「そうなのかーあたし知らんかったわ」
「へー」
しばらく食べているとゆりかがリビングに戻ってきた。
「おかえり~ゆりかちゃん」
「ただいま!」
「もうあんまり残って無いみたいだね、みんなお腹いっぱいになった?」
「もうおなかいっぱいだぜ!」
「わたしもお腹いっぱい」
「あとはゆりかちゃん食べていいよ」
「うん、じゃあいただきます!」
無事ゆりかも全て食べ終わり四人で全て片付け終えた。
「じゃあ初詣行こうか!」
ゆりかのその言葉を三人は承諾し歩いて近くの神社へと向かった。
「いや~人多いねー」
「そうだな見失っちゃいそうだな」
「てか参拝の列長くない!? 100mぐらいあるじゃん!」
「まあ待つのも初詣だよ」
「ほんとかな~」
「ゾワッ ブルブル」
ほたる心の声
「トイレ行きたくなってきちゃったどうしよう、まだまだならばなきゃいけないのに……」
ゆりか心の声
「ほたるちゃんトイレ行きたいのかな?」
「ほたるちゃんもしかしてトイレ行きたいの?」
ほたる心の声
「バレてるー!?」
「うん、そうなんだ」
「じゃあ場所空けとくから行ってきていいよ」
「うん、ありがとう」
ほたるは神社のトイレへと向かうがすでに行列が出来ていた。
ほたるは普段の数倍頭をフル回転して考えた。
「このままだと間に合わない、なら別のトイレは、ゆりかちゃんちに戻ればいいのか!」
ほたるは考えつくと全速力で人混みをかき分けゆりかの元へと走っていった。
「ゆりかちゃん!」
「あれ? もう終わったの?」
「その、トイレならんでて間に合わないからゆりかちゃんちののトイレ貸して」
「あ~そういうことね、はい鍵」
「ありがとう」
そう言い残すとほたるはゆりかの家へと走って行った。
「ジャーー」
「ふー間に合った、急いで戻らないと」
「ん?」
トイレから出るとほたるはゆりかの部屋のドアが少し開いていることに気がついた。
電気がつけっぱなしであったのでほたるはゆりかの部屋へと入って電気を消そうとした。
すると部屋の中には大きな本棚があった。
その本の中には背表紙に百合っぽい題名の書いてある本も並んでいた。
「まあ触れないでおこう」
そう言いほたるは初詣の神社に戻り初詣を満喫しました。
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