第134話 大迷宮ムトゥンガ6
『キーーウィ!!!』
『キゥ、キーウィ!!』
『キゥ?』
『キーウィ! キーウィ!』
「うわっ、ちょっ、何だぁ?!」
「これは、眷属召喚! ……なのか?」
ボスキウイの攻撃として広場中にゴロゴロと転がっているキウイ。その中でも大玉なキウイの皮を破って次々とモンスターのキウイが産まれていた。
◎[フラグ回収乙~、いや、何でぇ?]
∈[阿鼻叫喚にゃ。このダンジョン、タチが悪すぎにゃぁ]
∪[あ、けど、ヘイトが全部わん太君に……]
生まれたての雛が初めて見るものを親と……。
「いや、待つわん! あの目は親ではなくって、親の
その親とも言えるボスキウイも殺意の籠もった目でこっちを睨む。
―― キウッ、キウキウ、キゥキゥキウィーーーッ!
「なっ、またですか!」
「お嬢様、来ます!」
宙に浮かぶ複数の魔法陣。
―― ド、ドドドッッッ!
再び大小様々なキウイが射出される。
「避けろぉーッ!」
「全員、大玉なキウイの破壊を優先しろ!」
「やはりボスから倒さねばキリがないな。ワンコよ、一気にヤツを叩くぞ」
レヴィさんが八重歯を見せて獰猛に笑う。
―― キゥーーッ!!
うん、ボスキウイさんも獰猛に笑っているね。目は丸く笑っているようには見えないけど。
「わかったわん。ボクたちはボスキウイに集中って事でいくわん」
「私も行きますわ」
「お嬢様、お供します」
一斉にボスキウイを取り囲む位置に移動する。
否応なしにボクがボスキウイの正面だ。ジリジリと移動してもキウイさんにロックオンされていて、正面からずれることもできず、気を抜くと突撃してきそうだ。
「まずは、軽くジャブ、ジャブジャブ先制攻撃わん」
手に入れたばかりの武器、
くるくる、くるくる、くるくる……。
「うん、この武器、回すほど熱く、熱っ、熱いわん! そいやっ! そいやっ!」
段々と赤熱する七星輪に耐えられなくなって、たまらず投げた。
―― キッ、キゥゥッ! カンッ! キゥーーッ!!
ボスキウイは長い首を振って七星輪を一つ弾くも、投げたのは二つの
「今じゃ!」
「行きますわ!」
「はいっ!」
ボスキウイの左右、後ろに陣取っていたレヴィさん達も一斉に飛びかかる。
―― キゥッ!
「なっ!」
レヴィさんの蹴りがボスキウイの脚に止められる。
すかさず、
「ベアゴロー
―― キゥーーッ!!
支えていた脚に鉞を叩きつけられたボスキウイが叫び、ふらつく。
「ベアゴロー流スモウ術『蹴返し』!」
ふらつくボスキウイの脚にクレスさんの追撃の蹴り、そして、強烈な張り手が叩き込まれた。
―― キウッッッッーーー
「わぁお、ボスキウイが転がっていったわん」
クレスさんの見事なコンボによりボスキウイが横転して滑っていった。
◯[えっぐ。クレスさん思った以上に強い]
∴[それにしても頑丈だな。あの攻撃でまだ倒せてないのが信じられない]
▽[そしてフルボッコにされる哀れなボス]
―― キウキウ、キゥーキゥーキウィーーッ! キウッ?
地面に倒されて集中攻撃を受けていたボスキウイが叫ぶ。
「ん、なんじゃ?」
「魔法……は、出ませんね」
「何がしたいんでしょうか?」
ボスキウイの叫びに、一旦距離を取ったレヴィさん達も警戒を強める。
皆が見つめる中、よたよたと立ち上がったボスキウイは辺りを見渡し、首を傾げていいた。
◎[どうしたボス、お前の力はこんなもんじゃ無いハズだ!]
▽[いや、休ませてやれよw 満身創痍じゃないか]
◆[身を守るために仲間を呼び寄せようとしていた?]
「わん太殿、大丈夫ですか?!」
「わん太さん、こっちは大体片付いたっす!」
「姉御ー、無事ですかぁ」
周りのキウイを片付けたのか、キャンベルさんに
「みんな大丈夫だったかわん?」
「所詮はキウイですから。いくら増えるといってもタネが割れてしまえば問題ありません」
「大玉から孵る前に潰してしまえば簡単でしたよ」
騎士団の皆さんも手にキウイ肉やドロップ品のキウイをぶら下げつつ駆け寄ってきた。
―― キウッ、キゥーッ
こころなしかボスキウイが怯えているようにも見える。
「どうやら眷属召喚は打ち止めのようだ、これは、形勢逆転じゃな」
「わん太様、やっちゃって下さい」
「わん太さんがトドメを刺すと、お肉いっぱいっすからね!」
仕方が無いので装備を
―― キウィーーッ?!
諦めの境地へと至っていた
―― ガーディアンが討伐されました。
これにより、時計塔への入場が可能となります。
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