【VTuber】猫乃わん太 through Unmemory World Online【ぬいぐるみ系】
水城みつは
第一章 アンメモへようこそ!
プロローグ
「
いや、あった、と言うべきかも知れない。
インディーズゲームとして配信されたそのゲームは一部にはカルト的な人気を博したものの、世間的にはそれほど話題にならなかった。
そんなアンメモが昨今一般的に話題に上がるようになった。
「
挑戦的なキャッチコピーと共にベータテストが開始されるフルダイブVRMMOは実用、市販レベルでは世界初のフルダイブ方式だ。
また、体験者によればこれまでのフルダイブとは一線を画していて、
そして、インディーズゲームであった、Unmemory World のオンライン版とされていた。
「もっとも、今日遊ぶのはオンラインではなく、多分、オリジナルのアンメモなんだよね」
そうつぶやきながら配信の準備を始める。
ボクの名前は『
ちなみに、愛くるしいワンコの姿のぬいぐるみ系VTuberである。詳しくは『LIVE ch』か配信アーカイブを見てもらえると嬉しい。
普段は雑談配信をメインにしているのだが、今日はレトロなゲーム配信をしようと思う。
カメラの向きを整え、配信開始ボタンを押した。
―― 配信を開始します……
「こんばんわ~ん、ぬいぐるみ系VTuber、猫乃わん太わん。
今日はゲーム配信をしたいと思います」
△[ばんわーん]
◇[何気にゲーム配信初じゃね]
◯[なんのゲーム?]
「これです!」
そう言ってパソコン画面を配信に載せる。
アンメモと呼ばれるローグライクなアクションRPGだ。
◎[しらないゲームだ]
▽〚もしかして、アンメモ!〛
◇[なにそれ、詳しく]
「ボクもパソコンに入っているのを発見しただけなので、知ってる人教えて」
▽〚そのアンメモは今ベータテストが行われているフルダイブVRMMOの1作目〛
▽〚現在手に入れられないばかりか、動作するのもなくて幻のソフトと言われている〛
◇[有名なのか、全く知らなかった]
「幻のソフトって響きがいいね。早速始めるよ」
キャラは犬の獣人を選んで、なるべくボクに似せる。
幻のソフトで十数年前のゲームとはいっても、3Dであり、昨今のソフトにそれほど劣っているようには見えない。
キャラメイクされた自キャラをクルクル回してみる。
❤[かわわ]
◯[獣人というか、ケモ度100%でわん太そのもの]
▽〚初期スキルの配置は気をつけてね〛
スキルパネルへの配置によって効果やコンボボーナスがあるらしい。
だだっ広い草原を移動しながら時折ぽよぽよしているスライムを見つけては倒す。
「とぉっ、そりゃ、アタック、アタック!」
ボクより大きいコントローラーで動かすのは中々の運動になる。
◎[うしろ、うしろー]
❤[逃げてー]
▽〚今なんかあった。ダンジョンかも〛
ちょっと大きな狼っぽい
「ホントだ、初ダンジョンだよ」
地下へと続く階段を降りていくが、中はかなり暗い。
拾っていた松明を点けるも明るくならない。
❤[暗いね]
◎[松明が意味をなしてない]
▽〚バグっぽいね〛
「バグかな。ちょっと待ってて」
一旦セーブして、ゲームを終了する。
Torchを検索してそれっぽいのを見つけたので、Intensityの値を増やした。
影響範囲も広げておいたほうが良さそうな気がする。
そして、データをロードする。
「よし、いい感じに明るくなったよ」
◎[?]
❤[すごーい、さすわん]
▽〚ふぁぁ?〛
「このゲーム、自由度高くていいね。
HP表示もちょっと見づらいので弄ろう」
▽〚いやいや、なにそれ〛
❤[さすわん]
◇[なぜソースがある]
ちょっとした混乱を招きつつゲーム配信は好評のうちに終了した。
―― 本日の配信は終了しました……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます