第11話

 演奏者オーディション。

 こちらは、ヴォーカリストオーディションのときと違い、ミーハーな連中たちではなく、しっかりとした実力を兼ね備えた連中が集まった。

 自分のことを棚にあげておいてなんだか。

 この演奏者オーディション。俺も審査員として、アイツに参加させられていた。

「これから、僕たちの大事な仲間になるかもしれない人を選ぶんだから、勿論、君も参加するんだよ」

 こう言われてしまい、断る理由はなかった。


 最終的に5人まで絞った。

 どの演奏者もとても上手かった。たが、それだけだった。

 どうすれば、良いところを引き出せるか、オレとアイツは考えた。

 もうここで、オーディションを終わらせることはできた。だけど、それでは行けない気がしていた。

 そこでオレは、アイツにセッションして、試して見ないかと提案したのだった。

 アイツは了承した。

 そうして、残った5人とアイツがセッションすることになった。


 この中で1人だけ、目を惹くヤツがいた。

 ギターをとても楽しそうに弾くヤツだった。

 オレとアイツの意見は一致した。

 そうして、オレとアイツとヤツで、スリーピースバンドを組むことになるのだった。

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