突然の、襲来

今日、玄関のドアを開けた矢先に虫と遭遇して、びっくりしました。

(※今回はで・ある調で書かせていただきます、そっちの方が面白く書けそうなので)


私はマンションに住んでいる。今日、エレベーターを待っていると、視界の隅に黒いものが動いていた。なんだろうと思っていると、その黒い物体が突然私の目の前に出現したのだ。


あまりにも突然のことだったので、思わずビビって後ろに後ずさり、壁にぶつかってしまった。……なんだか頭を打ったような気もするけど、主に足が痛かったことだけ鮮明に覚えている。


その黒い物体が私の目の前に現れた途端、”虫だ!”と瞬時に判断した。あまりに

一瞬のことだったのだが、その黒いものは虫の形状をしていたような気がする。

なんか、羽みたいなものも見えたし、黒と黄色の縞々が見えたような……?

だから虫だと判断した。気のせいかもしれないが。

 とにかく、私はその”黒と黄色の縞々”を認識した瞬間、脳が”これは蜂だ”と勝手に思い込んだのだろう。

 ”これは蜂だ”と私の脳が認識した瞬間、私の足は気づいたら動いていた。

蜂というものは刺してくるもの。それがスズメバチだった場合、無事ではすまないかもしれない……そう本能的なものが動いたのかもしれない。生存本能というやつだろうか。


一旦逃げるという手段をとった私は、とりあえずその蜂と思われる物体から距離をとるように逃げた。


逃げるときにチラリと後ろを確認したが、その黒い物体(面倒なので虫のようなヤツとする)は特に私を攻撃するふうでもなく、ふよふよと(この擬音で合ってるかは分からないが、おそらくブーンと羽音は立てていなかった気がする)エレベーターのあたりを飛んでいた。


”助かったのかな……?”私は疑心暗鬼だった。特に刺されたという実感も湧かない。

刺されたら”痛い”とか”痒い”とか感じるはずだ。そんな痛痒も感じなかったので、私は”おそらく刺されてもいないのかな? 助かったのかもしれない”と、ホラー映画なら『アンタすぐに死亡フラグが立ってもおかしくないよ!』と言われんばかりの安堵感を脳内に漂わせていた。


ホラー映画なら、ほっとしたのも束の間、すぐにワッとどこかから怪物やらが

襲ってきそうな展開だが、私はとりあえず物陰に身をひそめ、その場をやり過ごした。

 そして私がじっと動かずにいると、例のヤツはどこかに行ったらしく、もう

姿は見えなかった。

 私は”まだ安心はできない”と思い、そのまま警戒しながらエレベーターに向かった。エレベーターには虫のようなヤツの姿は見えなかった。


”よし、いないな。良かった良かった”


ホラー映画ならここで怪物が、ドン! と現れ、安堵している人物は悲鳴を

あげるのがお決まりのパターンだ。しかし、怪物––––虫のようなヤツは、

現れず、私は無事にエレベーターに乗ることができた。


ホラー映画の世界に迷い込んでなくて良かった。ホラー映画だったら、安堵した

途端に襲われている。私も、安堵していたらその虫のようなヤツに刺されていたり

した可能性もあった。もちろん、現実世界でも虫のようなヤツに危害を加えられた

可能性はある。


それにしても、脳がパニック状態になっていたので、虫のようなヤツを見た瞬間

”逃げなきゃ”と思い、何が何だか分からず逃げていた。そういえば、気がついたら身をひそめていて、逃げている時の記憶がほぼない。


多分私がここ最近で一番驚いた瞬間であるとも思う。もう夏なので、こんな

肝が冷える体験をしたのかもしれない。


皆さんも、外に出る時はくれぐれも虫に注意したほうがいいと思う。

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