第53話【1991年7月号の主な掲載作品】
《表紙》
・スレイヤーズ(表紙イラスト:あらいずみるい氏)
《巻頭特集》(カラーページ)
・特集1:スレイヤーズ
・特集2:機動警察パトレイバー
・特集3:いづなよしつね特集
・特集4:ドラゴンハーフ
《小説》
・スレイヤーズSP(著者:神坂一氏、イラスト:あらいずみるい氏)(『らびりんす』掲載)
→異世界冒険ファンタジー。コメディ。
・ユミナ戦記(著者:吉岡平氏、イラスト:春巻秋水氏)
→異世界冒険ファンタジー。現代から異世界へ転移。
・風の大陸(著者:竹河聖氏、イラスト:いのまたむつみ氏)
→異世界冒険ファンタジー。シリアス。
・リバイアサン・アイズ(著者:井上雅彦氏、イラスト:米田仁士氏)
→異世界冒険ファンタジー。一匹狼。怪物ハンター。武器商人シリーズ。
・神の盾レギオン『獅子の伝説』(著者:六道彗氏、イラスト:鈴木雅久氏)(新連載)
→異世界冒険ファンタジー。神の盾を巡る戦記物。
・ドワーフ村殺人事件(ソードワールドRPGノベル)(著者:安田均氏、高井信氏、イラスト:草彅琢仁氏)(前編)
→ドワーフの賢者とエルフの若者が挑む異世界ファンタジーかつ推理もの。
《コミック》
・ドラゴンハーフ(著者:見田竜介氏)(巻頭カラー)
→異世界冒険ファンタジー。ギャグ、コメディ、コント。
・マトゥルスの血族(著者:沢田一氏)
→異世界冒険ファンタジー。活劇。
・ブリザード・オブ・オズ(著者:よしだけい)(読み切り)
→異世界冒険ファンタジー、900年ぶりに復活した鬼の戦士が、魔物退治を行う話。
・ポゼッション・トレーサ(著者:米村孝一郎氏)
→近未来SF。犯罪捜査もの。憑依能力者もの。
《TRPGリプレイ》
・休載。
この号のポイントとしまして、『スレイヤーズ』が初めて表紙を飾ったことですね。デザインとしては、
笑顔のリナ・インバースが差し出した両手の上で、魔力によって生み出された水晶球のようなものが浮かび、そこに高笑いをしているであろうナーガ(コミカル風)が描かれているものでした。
既に人気作品になっていたものの、まだまだレジェンド級のかたがたが表紙を描いていた時代ですから、実績を積み重ねるのは大変だったことと思います。
巻頭特集も『スレイヤーズ』でしたが、その副題が『爆発少女列伝』でした。
そう言えばあの頃って、『爆発』とか『爆裂』とか、そんなイメージの女性キャラクターが多かった気がします。元気な女性キャラクターは今も昔も華やかですし、相変わらず多いですね。
特集内容は短編と長編の振り返り。長編は第三巻の『サイラーグの妖魔』まで出ていましたが、短編はまだ出ていません。それから一か月半後(ドラマガの発売が5月下旬で、第一巻の発売が7月の中頃)に第一巻が発売になりましたから、宣伝効果も期待しての特集だったのでしょう。
『ソードワールドRPGノベル』が新連載。『ドワーフ村殺人事件』の前編が掲載されていました。
これは異世界ファンタジーにしては珍しく推理ものでしたが、すっかり内容を忘れてしまいました。今回は読み直しませんが、本になったものが確か書棚にあったので、そのうち読み返してみたいです。
今でこそゲーム(スマホゲームからのアニメ化も多いですね)の世界観をもとにした小説やコミックは当たり前ですけれど、この時代はまだまだ珍しかったと思います。
その後も色々とこの世界観を元にした冒険ファンタジー小説が生まれました。それをワクワクしながら読んでいたのが懐かしいです。
『ソードワールドRPG』はTRPGから始まり、新しいことに次々挑戦し、そして成功した最初のシステムだったのではないでしょうか。
その逆となる小説やコミックから始まり、TRPGやPCゲームに進出していったパターンは、どれもあまりパッとしなかった気がします。やはり元となったオリジナルの印象が強すぎたのだと思います。
後に富士見書房はそうしたTRPGを色々と発表しましたけれど、印象が薄かった覚えがあります。そのうち何冊かは買いましたけれど、実際にプレイしたことはありませんでした。少しでも読んだかどうかも定かではありません。
今では本棚のコレクションと化していますが、いつか取り上げてみたいです。
(追記)
2024年3月29日、山本弘さんがお亡くなりになりました。
当時のドラゴンマガジンのみならず、1980年代後半から1990年代にかけ、ゲームブックやTRPG、小説など現在の礎を造られたレジェンドの一人だと思っております。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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