第18話【折りこみチラシ ドラゴン通信の話 その6】

 Vol.13。この号からいつ発行されたものかの記載が入りました。それによると平成四年(1992年)2月でした。高校二年生の終り頃で、春期講習から受験生か~などと、あまり良い気分じゃなかったはずです(浪人が当たり前・ガチの受験戦争世代なのでね)。


 新刊案内。消費税3%。

・『バトルテック2 サンダー断層の決戦』(W・H・キースJr氏)(税込み520円)

・『ドラゴンランス伝説5 黒薔薇の騎士』(M・ワイス氏&T・ヒックマン氏)(税込み560円)

・『魔法使いになる方法2』(D・デュアン氏)(税込み520円)

・『グラマリエの魔法家族7 (仮)魔法使いさまよう』(C・スタシェフ氏)(税込み640円)


 私、どれも持っていませんね。だとするとこのVol.13は何を買ったときに挟まっていたんだろう?

 新刊リストを見ると、内容はわかりませんが、『グラマリエの魔法家族』という作品が、第7巻目。結構続いていたんですね。

 既にこの頃は富士見ファンタジア文庫で、様々な作品が話題になっていたと思いますが、それでも並行して外国産ファンタジー小説が出版されていたことを伺い知ることが出来ます。


 『ドラゴンブックス これからのラインアップ』(当時の表記のまま)。

 ここでは『ドラゴンランス伝説』の紹介がありました。あと二巻で完結と書かれています。

 あと気になるのは、『猫の戦士たちの活躍』を描いた『ムレルの書』の第6巻発売と。今だったら獣人系キャラが当たり前ですから、珍しくないかも知れませんが、動物をモチーフにしたキャラは、まだ浸透していなかった時代と思います。

 私の世代だと・・・『東映まんがまつり』で上映された『長靴を履いた猫』くらいしか思いつきません。あれだって一応、猫獣人の騎士さんです(多分)。

 他は『ソードワールドRPGリプレイ集 魔境の支配者』のこと、『ドラゴンハーフRPG シナリオ第1集』の遅延、『バトルテック』の基本ルールとシナリオの遅延。

 最後に『モンスターメーカーRPG』の作業が進行中とのことで、夏ごろになる見込みのお知らせとなっていました。『モンスターメーカー』関係、今で言えば『きらら系』にも通じる可愛らしいキャラデザ(九月姫氏)で、今の時代に完全復活しないかなあと願っています。


 ・・・あっ、多分『魔境の支配者』を買ったときに、Vol.13が挟まっていたんだな。他に該当する本はなさそうだし。


 コラム『バトルテックの背景世界 その2』。

 Vol.12に続き、清松みゆき氏が、『バトルテック』の世界について論じています。

 この時は政治的な話となっていました。


 『来たれ!! ソード・ワールド』。

 ここに来て、いきなり新コラムの登場です。この時代は『ソード・ワールドRPG』は大人気でしたが、新たに足を踏み入れようとする次の世代に向けての、呼びかけのような記事だったと感じます。

 ここでは『入門編』、『中級編』、『上級編』と三つに分けてわかりやすく説明した後、『リプレイ』、『アクセサリー』、『作品リスト』と続いていました。

 因みに当時の『ソード・ワールドRPG』は税込み640円でした。


 『モンスターメーカーワールド』。

 ここでも新たなコラムが登場です。書き手は『モンスターメーカー』をデザインされた鈴木銀一郎氏。後に小説『ドラゴンライダー』なども手掛けていましたね。

 自ら『モンスターメーカー』の世界をわかりやすくまとめて紹介されていました。

 カードゲームから始まり、ボードゲームやPCゲームへと広がっていきました。『モンスターメーカーマガジン』も発売され、コミックも展開されました。当時としては異例の広がり方だったと思います。今であれば確実にアニメ化でしょう。

 今では当たり前となりました『可愛らしい異世界冒険ファンタジー』の雛形は、『モンスターメーカー』が最も近いと感じます。キャラデザをされた九月姫氏の功績が大きいと思います。

 このキャラデザが大ヒットして、それまで無かった『可愛らしさ』が当たり前の仕様へと進化していったのではと考えています。


 この頃になると読者のコーナーも勢いがなくなり、イラスト葉書が数枚掲載されている程度ですね・・・。ちょっと寂しくなっています。

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