第313話 今世の計画

俺の冒険者ライフの滑り出しは順風満帆で11歳になる頃にはこの歳のソロ冒険者としては異常な程に稼いでおり、自活して生活出来るまでになっていた。


尤も何故ソロなのかと言うと、別に1人が良いと言う訳でも無くて単に同じ年頃で同じくらいの実力の者が見当たらず必然の結果としてソロになったのだった。


今世の俺もやはりボッチ属性と言うかコミュ力に問題がある様である。



冒険者としてはボッチの・・・いやソロの俺だけど、友達が全く居無い訳じゃないからね!

幼馴染みのライダン君やエナちゃんだって居るし、特にさみしくなんて無いんんだし、特に嫌われたりもしていない。


ただ、ライダン君とエナちゃんが両思い相思相愛なだけ。あ・・・何だろう、目から汗が・・・。



さて、今世の目標は特に持ってないがナンシー様からのオーダーは同様に文明の発展って事だったけど、2度も同じ事をやるのか?って話なんだよね。


やるやらないどちらにしてもここガガの街だと辺境過ぎてブームの火付けには適さない場所なのでもっと栄えた場所に本拠を移す必要も出て来るんだよね。



前世では面倒な絡みもあったけど、今世は余り気にせず好きな様に食いたい物を食って気楽に生きたいところだ。


戸は言え、一応ここで、最低でもCランクぐらいまでは上げておいてから本拠を移すのが望ましいだろう。


なんせ、まだ10歳のガキだし、ランクぐらいは見くびられない程度になっておかないとね。


とまあそんなみてくれの問題とランクの問題もあって、旅に出ず今だに実家に身を置いているのである。


あともう一つ理由があるとすれば、『魔境の森』に近いここは意外とランクアップには手頃な街だったりするのだ。



早く『魔境の森』に手を出したいところだが、Dランク以上にならないと『魔境の森』への入場を許可されないので未だに効率の悪い南の森で低級なゴブリンだのワイルド・ボアなどを狩る毎日である。


これが『魔境の森』ともなれば美味しいオークやもと高額な宿敵オーガなんかも居てウハウハなんだけどね。Eランクの俺にはここが辛抱所と言う訳だ。


なんせ、ルールを破って『魔境の森』で狩りなんかすると、最悪冒険者ギルドカードを剥奪されると言う恐ろしい処分が待って居るのだ。



そんな訳で急がば回れでコツコツと依頼を熟しお金と貢献度と言う点数を稼ぐ俺だった。



食い物と言えば前世の食べ物がタンマリと『時空間庫』の中に仕舞ってあって、旅に出てもどこかで遭難しても特に困る事は無い。


そうそう、この世界にはマジックバッグが量産されてなくて、俺の『時空間庫』の中にあった俺の作ったマジックバッグの在庫を売りに出せばそれだけで一財産どころか、一生暮らして行けると思われる。


ただそうすると、悪い奴らに目を付けられそうなので、ある程度の地位やランクや力、もしくはケツ持ちバックボーンが必要になりそうな事だ。



今の俺にでも前世の俺が培った錬金術の技術を駆使出来るとは思うけど、問題は作ろうにも、素材ビック・イーターの胃袋となるが入手可能か、又は代替え品の有無が重要になる。



今の所鑑定EX反応する代替え素材は出て来ないし、一度ナンシー様に聞いて見る予定だ。



じゃあ何故直ぐに聞きにいかないかって? だって、行ったら絶対に責っ付かれたり、見返りを要求されるじゃん!? あの人・・・いや女神か、結構無理強いするからね。


過去には色々要求されたし、少し位放置が丁度良いんじゃないかとね。



てかこの世界のそう言う利権関係の情報って丸っきり知らないのだけど、下手に売り出したら捕まるって可能性だってあるよね?



先にある程度錬金術や魔動具関連の情報をママンとパパンから仕入れて置かねば。




■■■



11歳を過ぎたら、1レベル毎にステータス値に加算される係数が増えたみたいで、ちょっとウキウキしている俺です!


名前:トージ

称号:(御使い)/(大賢者)

AGE:11

LEVEL:5

HP:14/14

MP:512/512

力:20

知能:19

器用:22

俊敏:18

スキル:剣術D/格闘C/投擲C/身体強化/魔装/鑑定EX(アーカイブコンタクト型)/隠密F/(隠匿)/(日本の英知)/魔力感知C/魔力操作C/錬金F(A)/並列処理E

魔法:無A(S)/土A(S)/火A(S)/水A(S)/風A(S)/光A(S)/聖D(S)/時空D(S)/生活

※()内は魂に刻まれた才能値を表す一般には見えない


と見て貰うと判る様にMPが500の大台を超えて、それに魔法や魔装や身体強化を使いまくっていたら、いつの間にか『並列処理』ってスキルが生えていて結果?知能と器用が結構上昇した。


昔の日本のゲームの知識だと、器用や知能が上がると、魔法使いや錬金術師に有利に働くって話だったと思うので嬉しい限りである。


あ、そうそう、ゲートと『時空間庫』を使いまくっていたら、時空属性もDにランクアップしてたよ。


俺に取ってはなかなか良い誕生日プレゼントだよ。


どうややらこの世界の人は俺の様に頻繁に自分のステータスを確認する風習と言うか習慣は無いらしい。折角ステータスが在る世界なのに勿体無いとしか思えない。


こんな身近に指標となる物があるのなら、もっと頑張れよ!と言いたい。


前世の俺なんて、指標すら無くてただ只管森の中で悪戦苦闘して街に行く日を夢見てたんだぞ!!


そして、アリーシアに出会って・・・ああ、アリーシア、君に会いたいよ。



イカン、無理な事でクヨクヨしても建設的じゃ無いし、もしかして、時空属性を極めたら、マッシモのアリーシアや子供達に会える日も来るかも知れない。


尤も今の年齢差のまま会うとガッカリされそうだし余計に辛い思いをさせる事になるか。



そうそう、湿っぽい方向の話になってしまったけど、どうやら今日は俺の誕生日だったみたいで、1人でテンション上がったり下がったりしてるけど、この世界には10歳の誕生日以降の誕生日イベントは特に無い。

それも王様とか貴族とかはどうか知らないけど、庶民レベルでは特に普通の日と変わらず祝う風習は無いので、勿論、誕生日プレゼントも無い。


つまり、ステータスを日々確認しているが故に俺が気付いて今までのレベルアップ時よりも大幅にステータス値が加算されたのに気付いたって訳。


ナンシー様、なかなか憎い設定にしているじゃないか! お陰様でヤル気だけは湧いて来たよ!と心の中でナンシー様を褒め称えたのであった。




話はガラッと変わるけど、この世界も前世の世界同様に、庶民の家に風呂が無い。理由は御察しの通りで、そんな面倒で贅沢な事をする余裕が無い為である。


で、我が家は冒険者のパパンとママンが頑張ってお金を貯めて購入した持ち家で、家主はパパンとママンなので2人の了承が在れば改造はし放題である。



そこで、先日から俺が鉱床して、裏庭の空いた場所に風呂用の小屋を土魔法でサクっと建てて、中に嘗て作った様な大理石貼りの湯船と浴槽を作ってしまい、給水と排水は『時空間庫』に在った魔動具を使って設置しておいた。


その為に2日程依頼を受けず休息日にしたが、全く後悔はして居ない。


この世界でも一応、石鹸と呼ばれる物も売って居るが残念な事に彼方の世界で俺が作ったりしていた物よりかなり質は落ちる。


なので、これもこちらの世界で再現したい物リストの上の方に記して居るが俺のストック品を今の所は提供してみた。


これで不評なら、即座に壊す約束で作った風呂は、ママンと妹マリーの心を鷲掴みにした様でこの数日は非常に機嫌が良い。


まあ正確には魔動具の件を色々突っ込まれたのだが、俺のスキルで作れたって事にしてある。尤も正確には前世の俺が作った物なんだけどね。


何で風呂を作ったのかって言うと『手足を伸ばして風呂に入って』マッタリしたいって言う日本人の血が騒いだのもあるが、もう1つは、最近力枯渇までに時間が掛かる様になったので、


一応、魔動具は付けて居るものの、俺の魔力枯渇の為に、風呂にお湯を張ったりしたかったってのもあるんだよね。

お陰で、かなり枯渇までの時間を短縮出来る様になった。



やっぱり伸び伸びと入れる風呂は良いね。贅沢を言えばこれで温泉でも引き当てれば更に最高なんだけどねぇ~。


多分やって出来ない事も無いけど、今は無茶はしないし出来ない。前世の頃の俺の様に降り掛かってくる火の粉を排除出来る様になるまでは自重しないと、家族に迷惑が掛かるからね。

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