第5話

――ああ、これで吾輩の人生も終わりか。短い生涯だったが悔いはない。……だが一つだけ心残りがあるとすれば、やはり我がご主人のことである。

せっかく新しい家族として迎え入れてくれたというのに申し訳ないことをしてしまった。せめて一言お別れを言いたかったのだがそれも叶わないようである。

すまぬ、ご主人よ。吾輩は先に逝く。どうか達者で暮らしてくれ。……そうして覚悟を決めた直後、何故か吾輩は再び自由の身となった。

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