恋とポエムと空模様

キエツナゴム

1p

 夜、愛してくれてた掛け布団は、『暑い』と私を突き放す。気がつけば彼は下に落ちていて、なんとなく虚しくなる。


 人生と同じなんだって。


 空を見る。その為にカーテンを開け、首を上げる。


「真っ白だ」


 ただ、そうとだけ言葉を溢す。


 『顔が曇る』とか、『鉛色の空』とか、不穏な言葉に思われがちなこの空だけど、私はそうは思わない。

 白は自由で孤独で楽だから。


 『真っ白』……それは私の心もおんなじだ。


 いや、おんなじだった。

 

 真っ白だった私の心は、無理やりに、無作法に、無造作に色づけられた。


 最悪だ。


 こんなの、する気はなかったのに。


 恋なんて、私の生きる上で、無いことだと思ってたのに。


 こんなに苦しむくらいなら、一生白と灰色だけの世界で良かったのに。


 私は蒼い空がどうしようもなく嫌いだ。

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