第3話

(それにしてもどうしたものか?異端審問会にかけられたら本当に処刑にされてしまうな。その前にカルラがどれだけ国に有益なものかを証明しないといけない。)


そう思いルルツは門兵の所へ行き、


「エリック近衛師団長に早馬を飛ばしてくれ!」


と言った。


そしてカルラに目を輝かせながら


「少し研究に付き合ってもらうよ?ここでは環境が悪いし、何より正確なデータが取れない。」と言った。


次の朝方までにはエリックと近衛師団と牢の付いた馬車が来た。


「あぁ、エリック早かったね!」とルルツ


「お前、人使いが荒い上に職権乱用だぞ?それにもし王様にこの魔女が有益でなかったらお前まで処刑されかねないぞ?」とエリック


「大丈夫。僕の考察はあらかたついてる。異端審問会まであとひと月ある。」と自信たっぷりにルルツは言った。


その後、ルルツとカルラはアルカデアのルルツの研究室へと入った。


「カルラ、それじゃあ僕と実験をしていこう!」


「怖くない?痛くない?」


「怖くもないし痛くもないよ!ただカルラの感情を借りるだけだよ。」そう言ってルルツは笑顔でカルラに返した。


「おそらくクオリアが一致して、記憶の映像を共有できるのならば、感情の共有も可能だと思うんだ。そして君が魔女と呼ばれるのはおそらく君が周りに恐怖を感じているのが周りにも恐怖を感じさせていることが原因だと僕は思ってる。」


「そうなの?」とカルラ


「そこでこの薬。快楽を感じる薬。セックスドラッグで一種の覚醒剤。国では表向きでは禁止にしてるけど、大人の間では夜の営みで使われてる。王様もこっそり使ってるらしいw そしてその薬を改良して脳波を少しばかり強める働きにしたものさ。これを飲んでみて。そしてその記憶、感情を僕にぶつけてよ!そうすれば僕も快楽を共有できるはずだ!そして何より気になるのがそのクオリアどこから来ているかということだ!さぁ、やってみよう!」


「わかった。なんだか怖いけどやってみる。」とカルラが言った。


ひとまず脳と脳を繋ぐヘルメットに配線を通し意識が通じるような装置で繋いだ。そしてカルラが薬を飲んで効果が出るまでしばし待った。


すると目の前が急に真っ黒になり宙に浮いた。そして白く輝く無数の点の中にダイブして行き、周りが真っ白な明かりに包まれた。物凄い快楽がルルツを包んだ。そして最後に到着したのが雲の中だった。そこにはありとあらゆる言語やアイディア、感情、感覚がぎっしり詰まっている。なるほど。


と、思ったら現実に戻った。カルラ目を閉じ眠っている。一瞬死んだのではないかと思い焦ったが、息はしているので疲れ切って眠ったのだろうと思った。


ルルツが見たものはつまり、人間のクオリアはクラウド内にあるということが直観的に瞬時にわかった。そこから言葉の意味合いや、感情、感覚というものを取り出し、共有し、認識する。そういった作業が全て人間のいる別宇宙のクラウド内で行われているのだと確信した。


「と、いうことはつまり、、、」


カルラの顔をみて研究に逸る気持ちを抑えてカルラにブランケットをかけてルルツも紅茶で一息つくのであった。


to be continued...

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