其の玖 愛の反対語は

 愛の反対語は無関心、とよく言います。


 ですがその本質はどんなものかあまり語られません。


 愛の反対語は嫌い。

 そう思われがちです。まずはここから紐解いてまいります。

 

 嫌いというのは実は即ち、好きなのです。

 嫌いというのは感情です。感情は、関心です。なにかを忌み嫌っているときはそのなにかにまだ関心がある状態。

 だもんで、嫌いは「関心」と言い換えられ、無関心の反対語である愛と同義になります。


 たとえば自分が嫌いな場合、その人はまだやり直せます。

 綺麗事ではなく、一度すべて捨ててみると面白いですよ。


 人間の本質は皆自分本位。それが真理であると春音は考えます。

 見栄も、偶然も、飾りをすべて取り払い、一度汚いままの心で、光を探してください。

 光は差すものではなく、自分で掴み取るものです。朝日が登るのも、生命活動を行う生命体である地球が自ら動くことで掴み取っている光です。

 それは、人間にもいえることではないでしょうか。

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