第120話 結婚式

「現在時刻を以ってイベントの終了を宣言します。

これより、エピローグをお送りします。

このイベントを以って結婚システムを実装いたします。

運営から結婚式のデモンストレーションをお送りします」


そうアナウンスがあったのは、僕が大聖堂の敷地に入った時だった。


僕は、戦い抜いたようだ。


アナウンスの通りだとすると僕はこれからサクラと結婚式ができるということだろうか。


僕は、大聖堂へと歩んでいく。


いつの間にか、衣装装備が変わっていた。


白いタキシードに。


僕って、白は壊滅的に似合わないのに。


大聖堂の内部に入ると結婚行進曲が流れてきた。


・・・?


生演奏!リッカがパイプオルガンを弾いている。


参列客もよく見たら運営のみんなだった。


宣言台には純白のドレスを着たサクラが僕を待っていた。


僕は、バージンロードを歩んでいく。


というか、これ普通は反対だよね。


まあ、いいか。


「お待たせ、サクラ」


「ソータちゃん、ずっと待ってた。

この時を」


10年。


ほんとに待たせてしまった。


「サクラ、好きだよ」


「私もよ、ソータ」


僕らは宣言台で見つめ合い、そしてキスをする。


宣誓を見届ける神父もないが、今回はデモンストレーション。


僕らの姿だけで終わりなのだろう。


そして、僕らは現実世界でもゲーム世界でも夫婦になったのだった。




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40日間連続投稿してきた当作品でしたが

これにて一度終了となります。


この続きは、しばらく後に再開させていただきます。

奏太と桜の新しい生活が始まるのをお待ちください。

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