5DAYS 初心者村.5
第28話 紅葉
翌朝、僕は早い時間に目が覚めた。
昨日の戦いが脳裏をよぎる。
だいぶ勘が鈍っているな。
『イスルギ』時代も本気で動くことはなかったからな。
たしか、アイテムに金床とかあったから自作の武器とか作ろうかな。
あ、採掘とかまだしてないや。
さてと、時計も9時を回ったしゲームしようかな。
僕の視界が茜色に染まる。
そして、平原に立っていた。
あれ?森でログアウトした気が・・・?
「ソータ、きたのか」
「来たけど・・・ここどこ?」
「どこって、森の跡地。
お前が森林破壊したからな」
「やばっ、そんなことあるのか。ゲーム世界で」
「メンテ後には戻るから気にするな」
あ、そこはゲームだった。
よかったこれがずっとだったらマルスの仕事がなくなってしまう。
「そういえば、おまえステータス最近確認してないだろ」
「え、確かに」
「あー、今じゃなくてもいいか。
どうせ変わんねぇし」
クレハが変に笑みを浮かべていた。
黒い笑みを浮かべている。
なんだろうって、もうわかったこの人AIじゃねえな。
こんな表情豊かなAIあってたまるか。
「んで、運営さんがなんでナビゲーターしてるんだ?」
「え、なななななんのことだ」
「たぶん、黒要狼が要のことだとすると、血桜熊が桜のことなら、お前は、碧楓蛇で楓って名前なんだろ」
「春風先輩のばかぁぁぁ」
うん、こいつ完全に自白しやがった。
このゲームあいつらの会社だったのか。
「あんなネーミングセンス流石にありえねえわ」
「なんかすまんな、妹と幼馴染みが」
「しかたないっすね、とりあえず事情を伝えるっす」
なんか、最初の喋り方になったな。
ああ、敬語にすると「す」になるのか。
「『イスルギ』の凍結自分の所為っす。
石動主任に殺すって言われてサポーターになったす」
「ん?スクエアズも君らの会社なの?」
「アリスガーデンは、いろんな名前があるんすよ」
「サポーターか、ならさ。
初心者村から出たら一緒に旅しようよ」
「え・・・うーん、それ主任と先輩に殺されないっすか?」
主任が要のことで、先輩が桜のことかな。
そういえば、スクエアズを紹介してくれたのは要だったな。
なるほど、僕の為に作ってくれたのか。
「なんか言われたら僕に言われたからっていえばいいよ。
それに一人旅よりも道連れだろ」
「なんすか、道連れって。
まあ、いいすけど」
「とりあえず、改めてよろしくクレハ」
「あー、初心者村でたらキャラコンバートしてくるんでカエデでいいすよ」
「じゃあ、カエデよろしくね」
「はい、よろしくっす」
僕らは、新たな仲間になった。
あれ?ナビリングって使えるのかな。
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