人次元では最推しです

聿八路彰

作品世界情報まとめ






・『人次元では最推しです』の世界観というか、作品世界の情報の簡単なまとめです。


・作品を読み進めていけば自然と知れる内容が大半ですが、度量衡のように作品内では正確な情報が記述できないものもあります。


・基本的には作品内で意味のわからない単語やよく覚えていない単語が出てきた際、気になった時に参照してもらえるように作ったものなので、ネタバレは一切ありませんが、詳細な情報を記述しているわけではないし、読まなくとも(細かい設定が気になる方でなければ)作品を楽しむには支障のない文章ですので、その点はご了承ください。







1.物語の舞台


 フェデォンヴァトーラ大陸(通称フェド大陸。この大陸内ではこのように正式名称が長く仰々しくなる傾向があるため、呼称は短く縮めた通称・愛称を用いるのが普通)。

 総面積約二億㎢のおおむね長方形。

 総人口十一億弱、分布は偏りが激しい。

 気候は熱帯から寒帯までさまざま、おおむね北が寒く南が暑いが、それに従わない地域もしばしば存在する。

 大陸近海はほぼ完全に開発されているが、大陸外へ脱出を果たした者は確認されていない。この大陸の人類を創り出した神々が人々に与えたのはこの大陸のみであり、別の大陸はまた別の神々が別の人類に与えたもの、というのが一般常識。


 ⅰ.既出の国・街の名称


  ゾシュキーヌレフ(ゾヌ):大陸中央部最南端の超巨大商業都市国家にして大農産国家。総面積約二千㎢、人口一千万超。

  ロヴァナケトゥルゥガ(ロヴァガ):大陸中央北東部に位置する大魔術国家。総面積約六万㎢、人口約十六万。

  フィネッカン(フィカ):大陸中西部の『前線』に隣り合う軍事国家。総面積約五十五万㎢、人口約三十五万。

  ビュセジラゥリオーユ(ビュゥユ):ゾヌの北北西の隣国である女王国。総面積約三千五百㎢、人口二万人弱。



2.フェド大陸の文化・文明


 文化・文明のレベルは中世~近現代とばらつきが激しい。地域差が大きく、技術も発展している分野と未熟な分野の差が大きい。『文明国』と呼ばれる国々の倫理観は近現代の地球人と大差がないが、貧しい国々においては倫理という考え自体馴染みがないこともしばしば。

 この大陸においては『神々が人間に加護や恩寵を与え、世界をよりよい方向へ導こうとする』ことがしばしばあり、大陸の文化・文明はそういった神々に愛された人間によってリードされてきた面が大きい。大陸の基幹技術――術法も、ほとんどが神から恩寵として授けられたもの。

 なので信仰・神殿が非常に身近、かつ強い力を持つ存在になっており、国を興す時には神殿の権威に頼るのが普通なほど。神々の名の一部を国名に冠することも多い。


 ⅰ.度量衡などの単位


  ※単位換算はすべて『大まかに言えば』程度の正確性。漢字表記は『似た概念』による当て字


  距離:ソチェイル/一ソチェイル=約三㎝

     ソネータ/一ソネータ=約三m

     ソネィオ/一ソネィオ=約三㎞

  容積:ヒュリーク/一ヒュリーク=二百ml

     ティーク/一ティーク=二十ℓ

     クリーク/一クリーク=二㎘

  重さ:ラウガ/一ラウガ=約五g

     リムガ/一リムガ=約五㎏

     コヤガ/一コヤガ=約五t

  面積:ルエーノ/一坪=約三㎡

     ミュエーノ/一ミュエーノ=約三㎢

  速度:刻里程ソジク/一刻里程ソジク=約時速五㎞

  魔力:ピエト/一ピエト=MP1

  エネルギー:力量アリアオン/一力量アリアオン=約五万J(主に術の破壊力などに使う単位なので、無理やり変換するなら、程度)

  通貨単位:ルベト/一ルベト=約0.2~8.0円(地域差、商品価値の違いなどを考えると、このくらいブレが出る)


 ⅱ.時間の数え方と名称


  瞬刻ルテン/一瞬刻ルテン=約0.5秒

  短刻ナキャン/一短刻ナキャン=約二分

  ユジン/一ユジン=約四十分

  長刻クヤン/一長刻クヤン=約四時間

  日刻ジァン/一日刻ジァン=約一日

  巡刻アユン/一巡刻アユン=約八日=八曜(天地陽月陸海星命)

  節刻テシン/一節刻テシン=約三十二日=四巡刻アユン

  転刻ビジン/一節刻ビジン=約三百六十日=十一節刻テシン+年末年始+春夏秋冬の祝日+神無日+神有日

  十一節刻テシン名称/雪華節ユィンテマジス氷雷節ナーガシェニィ風誘節ワブルゥティコ萌芽節スリァディグダ翠輝節ブギッチャルカ水恵節オディミッテム陽閃節ヒンガテラーテ影熱節シュクヘトキサ火陰節ゼリヌンケィノ生惑節ダットユィーニ土養節クーマジュック


 ⅲ.既出術法


  召霊術:霊魂を招じる術法。基本的には『呼ぶ』のが術の効果のメインで、思い通りに『操る』ことはできない。

  魔術:全術法内で唯一、神の手に依らない術法。人が生み出した世界の裏技。そのため習得・制御の難度がバカ高い。

  浄化術:穢れを払う術。呪い、病気のみならず、腐敗、怪我など、『負の状態』は基本すべて穢れに含まれる。

  風操術:風を操る術。基本的には天候操作に近しい、非戦闘用の術法で、威力は小さいが、効果範囲が極端に広い。

  精霊術:世界を構成するエネルギーが意志と感情を得た精霊という存在を使役する術。状況対応力と大規模破壊に長ける。

  鍛生術:身体を鍛えて強くする鍛錬用の術法。習得しているかどうかで身体能力が段違いなため、前衛には必須とされる。

  練生術:身体の力を魔力で練り上げることで、一時的に爆発的に強化する術法。主に前衛の戦闘職が学ぶ。

  飛翔術:飛行用の術法。物体を飛行させることにしか使えないが、その分その機動性等は他術法による飛行を引き離している。

  収納術:異空間に荷物を持ち運ぶ箱を作る術法。箱の容量は術者の腕次第。全術法中でも有数の習得しやすさが特徴。

  転移術:情報が取得できる場所へ瞬間移動する術法。基本一度の転移で運べるのは数人単位。習得の難易度は魔術に次ぐ。

  治癒術:身体の傷や悪影響を癒す術法。傷を癒すことにかけては全術法でも随一だが、極めるためには医術等の知識が必要。

  滅聖術:邪鬼の眷族に代表される、邪なる者に対抗するための攻撃術法。邪なる者に対しての効果が高い。

  勉正術:脳の力、知性を高めるための鍛錬用の術法。勉強を補助する術式の一環として、記憶・情報取得補助の術式も含む。

  律制術:術法制御術法。術式・術法の性質・効果・働きを操作する。術制御・操作の簡便化のため、魔術師に使い手が多い。

  増幅術:力を強化する術法。身体能力の向上にも使えるが、基本的には術式の効果・威力の向上のため使われる。

  剣真術:剣の効果範囲を拡大する術法。剣の一振りで大人数を捉えたり、幽体や術式を斬ることを可能にする。

  絶縁術:『因果を絶つ』ための術法。縁、繋がりを斬ることを可能にする。常人の使用できる術法ではない。

  護盾術:防御用の術法。能動的な使用に重点が置かれているが、恒常的に防御力を高めるような受動的な術式も存在する。

  誘引術:相手の意識を惹きつける術法。他者の誘惑、大人数の誘導、戦闘時相手の意識を逸らし隙を作るためなどに使う。

  性健術:性欲と生命力を同調させ増幅する術法。鍛生術同様、身体の鍛錬に使う。熟達するほど性的に強化されるのも特徴。

  操霊術:霊魂を操るための術法。半ばエネルギー化した霊を自在に操作したり、霊的な治療、霊魂の強化・制御などに使う。

  同調術:心魂や身体や存在の波長を同調させる、対話・交流用の術法。基本的には『空気を読む』力を強化するのに近い。

  神祇術:神々関連の術的作用制御術法。神託を受けるための心身の純化、空間の浄化、結界など。神殿勤めの神官には必須。

  女聖術:『女性の力』を強化する術法。主に美容術として使われる。ビュセジラゥの信者以外への教授は禁忌。



3.フェド大陸の既出の神々


 エベクレナ:剣と戦の女神。剣の技と積み重ねた鍛錬、戦の勇気と誇り、剣と戦の誓いをつかさどる。

 ゾシュキア:自由なる風の女神。大陸各地に存在する四大神の一柱。自主自立を重んじ、交流、経済を副次的につかさどる。

 アーケイジュミン:豊穣と性愛の女神。娼婦と男娼の守護神の一柱にして、農産の守護神の一柱、かつ戦士の守護神の一柱。

 ギュマゥネコーセ:勉学と智恵の女神。知識神の一柱。たゆみない勉学と知識の研鑽、それによる知性をつかさどる。

 ウィペギュロク:邪淫と加虐の邪神。性的な悪逆、搾取を行う者、一方的な加虐を好む者に崇められている。

 ロヴァナケトゥ:術と魔の神。人の叡智の象徴たる術法、術式、その中でも特に本来存在しない『魔』なる術をつかさどる。

 エミヒャルマヒ:円環と精霊の神。自然の循環、そこから生じる精霊の力と存在、それに寄り添う心をつかさどる。

 ヴォニティアカリマ:戦いと慈愛の神。愛するものを護るための戦いと、傷つけられた者に対する慈愛をつかさどる。

 ムフィコフィクノム:獣と狩りの神。野に住まう獣、野性から生じる生命力、それを我が身に受けるための狩りをつかさどる。

 ダニムリータ:苦痛と殺戮の邪女神。殺戮を好む者、他者に苦痛を与えることを好む者に崇められている。

 ヨジュクピアルト:征服と暴虐の邪神。侵略戦争を主導する者、理不尽な暴虐を好む者に崇められている。

 ビュセジラゥ:女性と愛の神。女性同性愛の守護神の一柱にして急先鋒。女性以外の信仰は許されていない。



4.フェド大陸の知的種族


 定義としては、『既存の人間社会内で継続的に社会生活を行える種』はすべて『人間』として扱われる。現在のところその定義に当てはまる種族は、すべて『人間』を神々が変化させて生み出した、『人間』種族の範疇に収まるものであるのも事実。

 その範疇内の種族はすべて『人種』であり、能力・体格・技術の向き不向きなどに一定の傾向はあるが、寿命・感覚精度・肉体が生来有する力などには大きな差はない。翼持つ人種でも術式を使わなければ空は飛べないし、獣人の感覚がとりたてて鋭いわけでもないし、特定の分野に高い才能を発揮する種族がいるわけでもない。種族差より個人差の方が圧倒的に大きい。

 そのため、種族差別どころか、自他の種族を強く意識する、という感覚すら薄いのが普通。血も入り混じっているのが当然なので、猫耳の親からトカゲ尻尾の子供が生まれても、別に誰も驚かない。ただし正式な身分証明書には自身の種族を記載しなければならないので、冒険者は全員専用の術式で自分の種族をきちんと調べられている。

 ちなみに『半巨人』のように、半~とつけられる種族名は、複数の種族特性が入り混じって発現している、ちょっと珍しい人間に与えられるもの。複数の中でもっとも強い特性が種族名としてつくので、性質的に必ずしも正確ではないこともあるのだが、身分証明書には普通詳しく種族特性要素について記載されることもあり、いちいちそんなことを気にする人間は少ない。

 というか、正式な種族名となると学名になってしまうので、自分の種族名を覚えられない人が出てくることもあり、身分証明書に書かれる種族名は普通通名――ざっくりとわかりやすく特徴を表した名称。


 ⅰ.既出人種


  元人:あらゆる人種の元となったといわれる人間の基本種。

  猫人:猫耳猫尻尾を持つ人間。まれに瞳や、頭部が丸ごと猫の形状を有していたり、体皮が毛皮状だったりすることもある。

  翼人:背に翼、特に羽毛を有する鳥の翼を持つ人間。翼だけで飛ぶことはできないが、飛行術式の触媒として便利に使うことはできる。

  巨人:(人間にしては)並外れて大きな肉体を有する人間。

  鬼人:巨人よりやや小さい程度の大きさの肉体と、頭部に角を持つ人間。

  森精人:尖った耳と、きゃしゃな体と、精霊術に対する適性を有する人間。種族的に森の中を好む傾向が強かったりと、種族としての特徴がだいぶ強烈に発現することの多い珍しい人種。

  虎人:虎耳虎尻尾を持つ人間。まれに起こるその他の身体部位の変化は猫人同様。体毛にも縞模様が描かれることが多い。

  豚人:豚耳豚尻尾を持つ人間。まれに起こるその他の身体部位の変化は猫人同様。

  蝶人:背に蝶の翼を持つ人間。当然ながら体格は普通の人間と同程度だが、体格縮小術式の効きがいい傾向がある。翼の効果は翼人同様。

  森人:死後に一本の樹木と変化する珍しい人間。年を経れば経るほど肌や体毛が樹木のものへと近づいていく。

  蛇人:蛇の鱗を持つ人間。鱗が肌に占める割合は個人差が大きい。まれに瞳、頭部、尻尾等が丸ごと蛇の形状を有していることもある。

  石人:石の肌を持つ人間。肉体の組成に占める石の割合は個人差が大きい。が、基本的には体温や肌触り程度の違いしかない。

  地精人:種族的に地中を好む傾向が強い人間。陽に焼けることが少ないのに褐色の肌を持っていることが多い。大地の精霊を用いる精霊術に敵性があることが多い。これらの特性は地精人種のほとんどに発現するが、森精人ほど強烈ではない。

  蜥蜴人:蜥蜴の鱗を持つ人間。鱗が肌に占める割合は個人差が大きい。まれに瞳、頭部、尻尾等が丸ごと蜥蜴の形状を有していることもある。



5.フェド大陸の人外生物


 ⅰ.邪鬼の眷族


  邪神を崇める『邪悪』な種族。人間との対話が成立せず、人間と遭遇すれば襲いかかり、あるいは喰らいあるいは凌辱する、人間と敵対するために生まれてきたかのような存在。一説にはその総数は大陸の全人口を上回るという。

  種別はさまざまで、ゴブリン、オーク、トロール、オーガ、デックアールヴといった代表的な種族のみならず、ボナコンやキマイラのような四足のもの、ハッグやアエーシュマのような人に似た形のもの、チハクッサンテやゴグマゴグのような巨大な人に似た形のもの、イルルヤンカやヌハングのような竜に似たものなどなど、数限りないほど。

 それでも能力の違い(術法をはじめとした有する特殊能力、身体能力)はあるものの、人間に対し徹底して邪悪な行いをすることと、後述の邪鬼に対して徹底的に服従すること(これが種族名の由来になっている)は共通している。


 ⅱ.魔物


  魔力を制御する能力を持つ、ないし魔力が生態の根幹にかかわっているなど、魔力に強い影響を受けている生物の総称。人間は術法という技術を介してしか魔力を制御することができないので魔物ではない。

  性質としては野生の動植物とほぼ同じ代物だが、適度に間引かなければ大発生と暴走を引き起こすことが多い、さまざまな能力が動植物とは比べ物にならないほど高くなりえる、基本的に肉が食用にならない(魔力で肉が変質し、相応の処理をしなければ人間が食べると拒否反応を起こす)が肉を含めた身体はさまざまな物品の素材として高い適性を持つ、などの違いがある。

  上述の性質から、冒険者の主要な狩猟対象となっている(別に冒険者でなくても狩っていい代物だが、高い戦闘能力を持つためそれに対抗できるだけの戦闘能力とギルドに積み重ねられた知識を持つ冒険者が狩るのが普通)。


 ⅲ.邪鬼


  邪神に深い寵愛を受けた〝邪なる者〟。数転刻に一度程度の割合で、大陸のいずれかの場所に、無作為と思われる出現率で現れる。

  たいていの場合邪鬼の眷族を従え一大勢力を築き上げようとし、それが首尾よくうまくいけば周囲の国家に戦をしかけるため、冒険者ギルドは邪鬼の征伐を最優先目標に掲げている。


 ⅳ.邪神の眷族


  邪神が直接遣わす自身の眷族。高度な召喚術式か、邪神にとっても重要度の高い案件に際してしか人界に顕現することはない。英雄と呼ばれるほどの実力の持ち主でなければ対処が難しいほどの力を有する。

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