パパ活、姉の代わりに僕がしてみたら

未知

第1話

 最近、お姉ちゃんが変だ。

 どう変かと問われると、いつもと違う感じとしか答えられない。

 じゃあ、いつもはどんな感じかと問われると、答えに窮してしまう。

 16年間みてきた弟だからこそ、感じとれる何か?があると思う。

 具体的に言葉で表すことができないけど。

 とにかく、お姉ちゃんの様子がおかしいのだ……


「さかな。お前、姉がいたよな?」

 友達の近藤舞魚こんどうまお、通称さかなに姉の異変について、相談をしようと思った。

「そうだけど、それがどうしたの?」

「い、いやぁ最近おねぇ……姉の様子が変なんだよね」

 僕はたじろぎながら、言葉を紡ぐ。

「で、何か心当たりないかなと」

「エダに溺愛してる姉か?どう変なんだよ」

 エダ、僕のニックネームだ。本名は柏木紗枝かしわぎさえと言うが、さかなからはエダと言われてる。

「それがちょっと言いにくいっていうか、自分でもよく分からない。でも変なんだよ」

「ふーん、考えられる理由として二つ挙げられるな」

「なに?」

「まぁ二つって言っても、一つは体験談ようなものだ」

 さかなは姿勢を正し、真剣な眼差しで僕を見つめる。

「一つ目は女の子の日、つまり生理だという可能性だ」

「……」

 何の前置きなしで単刀直入にいうさかなとそれを呆然と見つめる自分。

 謎の沈黙が訪れた。

「まぁこれはないな」

「はあ?」

「いや、だってさー。これまでにも生理が来てると思うし、その度に様子が変になってないとおかしくない?でも実際は突然、普段と違う何かを感じたんだろ。それじゃあ、原因は生理じゃないということだ」

「そしたら、もう一つの方は?」

「そうだな。これが一番あり得ると思うし、可能性も高い。なんだってウチの姉貴もこれが原因で態度や仕草が激変したからな」

 僕は自然と前のめりになる。

「そ、それは……」

「ズバリ……」

「ズバリ?」

「彼氏だな!!」

「う、うん?」

「お前の姉には彼氏がいる!!」

 さかなは高らかに宣言した。

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