第15話 Bad、End

司令官は慌てて司令室のドアを開いたが、すぐに部下に引き戻された。


「おいやめろ」

「危険です!とても中に入れたものではありません」


ちょうどその時、源博士がやってきた。


「ベッキーは速いなぁ。そりゃまあロボットだし、しゃあないが」


「は!博士!緊急事態が発生しました。

どうやらウォーリーとベッキーが司令室で戦闘してるようです」


「あぁ、知ってるよ」


「そうでしたか。どういたしましょうか」


「このままでいい」

「え?」


「聞こえないかい?このままでいい」


博士はドアの隙間から中を覗いた。

激しい爆音が聞こえる。他にも、画面が割れる音、電気の音など、阿鼻叫喚だった。


「………このまま勝てれば……」


「なんか言いました?」

「いや別に」


ウォーリーは博士に気づくと、カノン砲にエネルギーを溜めた。


「(nanisurukida)」

「……………」



ビビビビビビビビ…………


エネルギーが集まる音がする。


「……ハッピー、エンドだ!!!」

「やばい閉めろ!!!」


ガチャン




ズドォォォォォォォォカァァァァァァァン




ウォーリーは腕からほぼ全てを溶かす高熱を出したようだ。


ロボットたちが慎重にドアを開けると、ドロドロに溶けた司令室で、2人が立っているのが見えた。


「…………………Bad、End………da」


ベッキーの足のタイヤは完全に溶けて、体の一部が削れていた。


ウォーリーは慌てて司令室を出る。


「あ、待て!!!!」


博士は司令官たちを押し退けると、ウォーリーの方へ走り始めた!








「待てウォーリー!!!!!!」


「え⁉︎(バレたか)」


ウォーリーは後ろを振り向くと、なんとロイが飛んできた。


彼は親友を失い、さらにウォーリーに見捨てられて、精神的にかなりやられていた。

いや、それどころか無断で早退したウォーリーを憎んでいた。


「もう俺たち終わりだ。せめてテメェを壊して、俺も壊れる!

親友のところへ行きたい!お前は地獄に堕ちて哀れに燃えて尽きろ」


「ごめんごめん、けどマジで今は無理なんだよ。

博士が俺の部屋のエアコンをつけて、俺に消し忘れたと勘違いさせて、俺を思考回路を持たない、完全な殺戮兵器に変えようとしたんだ」


「ハァァァァァァァァァ?もっとまともな嘘つかないのか?」


「復讐はあとでにしてくれ」

「復讐にあとでは無い」


ロイは傘の先端から、動きにくくする水塊を発射した。


ベチャァァァァァン



「う、ヌメヌメする、冷たい!!!!!!」


しかし、それでもウォーリーは走り続ける。ロイもしぶとくウォーリーの腕につかまる。


後ろから博士が追ってくる。

これほどまでに恐怖を感じたことはない。

彼は常に頂点に立っているから、追われるということがないのだ。

そもそも戦場に行ったのが今回で初だし。


「相手の事情も考えて復讐しろ!!!!!」

↑ウォーリー


そう言い捨てると、ロイの手を走りながら壁にぶつけて逃げていった。


「ってーーー、ん?」


ロイが振り向くと、後ろから博士が走ってきて、彼を蹴ってどかした。


「ってーーー、あいつ……」

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