第13話 ロイ

ウォーリーは廊下を走り回っていた。


「あいつやばいよ。博士キチガイじゃん」


息を切らしながらも、逃げ回っていると、目の前にロイが現れた。どうやら生還したらしい。


「お前……、無断早退したらしいな。おかげで前線Nでの死傷ロボットは5万を超えた。お前の責任だぞ!ウォーリー!!!!!!」


ロイは傘のような体を開いた。


「俺の親友も戦死した。どう責任を取る?」


「え………えっとねぇ、そ、うだねぇ」


後ろから博士とベッキーが追ってくる。


「すまん今無理!!!!」


ウォーリーはロイを押し退けると、走り去っていった。


「ハァハァハァハァハァハァハァハァ。しつこいって、あいつら」


ウォーリーは囮として、小型のロボットを出した。


小型のロボットは、電流で博士やベッキーを攻撃したが、ベッキーに一瞬で溶かされた。


「おいウォーリー!!!逃げても無駄だ!!!!

逃げ続ければ、いつかは必ず行き止まりに着く!!!!!」


博士の言った通り、ウォーリーに逃げ場はなくなった。ダストシュートもない。


「ち、クッソここまでか…、いや、カノン砲がまだある!!!!!!」


ウォーリーは手をカノン砲に変えると、壁に向かって撃った。



ズドォォォォォンズドォォォォォン


「空いた。あの博士、自分で作ったロボットの機能忘れてるっぽいな。ビームと刃物だけじゃないぜ」


ウォーリーは走り去っていく。




「どこ行ったあいつ」

「kabewokowasitenigetayoudesu」









ウォーリーは司令室に行って、このことを司令官に話そうとしているようだ。


「司令室どこだっけどこだっけ」


ウォーリーは2階からエントランスを見た。エレベーター前にはラリーとレイがまだ言い争っており、ほかのロボットたちの邪魔になっていた。


「あいつらまだやってるし」


ウォーリーはまた走り始めた。







司令室では、前線Mの状況を見ている。


「今からそこにキャノリーナを派遣します」


「キャノリーナ様、こちらでございます」


前線Nでの戦闘に失敗し、前線Mに押されているため、かなり物々しい雰囲気となっている。


そんな時に、ウォーリーが飛び出してきた。


「すみません司令官いませんか?」


「え?ああウォーリー!探してたんだよ、これから前線Mに行ってもらう」


「いや、そんな暇なくてですね、博士がやばいんですよ!!!!!!!

どうにかしないとダメです」


「まさか、何を企んでいると言うのだ」


「俺を完全に殺戮兵器に変える気なんですよ。思考とか感情とか全部捨てて、変な機械に俺を突っ込んで、殺戮兵器に!」


ロボットは笑った。信じていないようだ。

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