自己紹介

「本当に陽介なの、、、?」

「だからそうだといってるだろう」

「本当に陽介なのね、、、、変わりすぎてわからなかった、、、」


 幼馴染でもわからないほど変化したことに心の中でガッツポーズをした。


「陽介は本当にミスコン優勝を目指してるの、、、?」

「もちろんだ」

「ミスコン?」

「あぁ、言ってなかったか?ミスコンで1位になって今度こそ日和先輩と付き合うんだ」

「ちっ、またあの女か」

「ん?なんか言ったか?」

「いや、なんでもないよ兄さん」


 一瞬小春が目を細めたように見えたが気のせいだったようだ。


「あっ!もう行かなきゃ、ごめんね小春ちゃん急ぎの用事があるから先行くね。」

「わかりました、急ぎの中止めてすみませんでした。」

「大丈夫だよ、また今度ゆっくりしゃべろ〜、陽介はまた明日ね」

「おう、また明日な」


 陽介達は後ろを見ながら手を振り走り去っていく穂乃果を見送り家に帰った。



「はぁ〜、新しいクラス緊張するな〜」


 胸に手をあてながら気持ちを落ち着かせるように穂乃果はつぶやいた。


「そうだな〜、知らない人も多いからなぁ」

「でもこの3人が奇跡的に同じクラスだったのはよかったね」


 陽介は入学式の日は驚いたものだ、今まで穂乃果、遼太の2人と同じクラスになったことはなかったので今回もバラバラだと思っていた。


 朝のホームルームが終わり自己紹介の時間がやってきた。

 すでに穂乃果と遼太の自己紹介は終わり、2人は美形なためクラスの男女共々好意的な印象が多く陽介も2人に続こうと意気込んだ。


(ついに俺の番か、、、、)


 前の生徒の自己紹介が終わり拍手が鳴り響き、陽介の番がまわってきた。

 胸の高鳴りを抑えながらゆっくりと席から立ち上がった。


「はじめまして、亀野陽介です。趣味は可愛くなることです。目標はこの学校のミスコンで1位になることです!」


 完璧な自己紹介ができたと感じ心の中でガッツポーズをしながら席についたが拍手がない、周りを見るとクラスメイト達が奇異な視線で陽介を見ていた。

 

(俺なんかやらかしたか?!)


 クラスメイトの視線に居た堪れなくなり遼太に助けを求める視線を送ったが机を叩きながら腹を抱えて笑い転げていた。

 こいつじゃダメだと思い穂乃果の方を向いたら机に肘をつきながらこっちを見る穂乃果と目があったがすぐに視線を外されてしまった。


「陽介君、、、本当にミスコンにでるの?」

 

 恐る恐るというかんじで聞いてくる先生に声たからかに宣言した。


「はい、俺はミスコン1位になります!!」


 クラス中がざわつく中遼太は死ぬんじゃないかと思うほど大爆笑し、穂乃果は大きなため息をつくのだった。

 

 

 


 

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