第25話 私の為に争わないで
「貴方達
「ねぇねぇそれじゃあまるでアタシが要らない子みたいじゃんッ。
「女神様を
「あらやだ。ふんっ、相変わらず生真面目さが際立つわね
「あれッ⁉ 何かキャラ変わってませんかガレオさんッ そっちが本物? 脳を半分機械化ってオカマ化の間違いですよね? てか、お姉さんって呼んだ方がいいですか? ねぇ聞いてる? 」
「神への冒涜にも飽き足らず、我等一族をも汚すとは無礼千万。貴様には鉛の風穴だけでは飽き足らん、その首討ち取って晒して見せようぞ」
「ふん劣等種が一丁前にほざくんじゃないわよ、弱い犬程良く吼えるってね、出来るもんならやってごらんなさいよ」
「ちょっと大丈夫コレ? 戦争になっちゃうんじゃないのコレッ。戦争になる前にもう少し握っておくか。別にいいよね? ねぇおにぎり食べる? 」
ミューは可愛いケーキを一心不乱に丸くする―――
犬顔の男が、腰の鞘に手を添え構えに入ると、ガレオは到底狼とは思えぬ丸々と肥えた贅肉だらけの年老いた幹部達に声を荒げた。
「アンタ達税金誤魔化してるのバラすわよ? ブクブク太りやがって何の役にも立たないんだから、せめて神の役に立ちなさいよ、バレたら牢獄行きだかんね? 」
その直後、鋭い犬歯がキラリと光った―――
「 ―――参る」
スラリと三日月の様に美しく反り返る剣を抜きにかかると同時にヤァと年老いた肉団子達が一斉にのし掛かる。
―――要介護者アタックぅ―――
「「グハッ卑怯な」」
「「いざ尋常に勝ぶぅぅぅ」」
「「グヘェ中身でちゃう無念」」
「「とりゃあ」」
「「うぎゃあ尻尾はあかん」」
「「儂の眼鏡知らんかね?」」
「「大人用神オムツなら此処に」」
「「罰当たりがあぁぁぁぁ」」
そんな
「ささっ今の内ですミュー様。後は肉団子達に任せて我々は一気に抜け出しますよ? 」
「え? あっハイお姉さんッ」
「あらやだっ、まだこんなにいたのね。やる気だけは買ってあげるわよっ、ていうか一人もいい男いないじゃない。どう言う事ぉ? 」
「絶対ッオネェの使用済みの脳を移植したんだろソレ。機械じゃなくて奇怪だよッ ねぇ聞いてる? 」
「仕方がないわねぇ、アレ行くわよ」
ガレオは側近である護衛の1人に
―――バシュン―――
大きな音と閃光が視界を奪い、通路を瞬く間に色の無い世界へと
「キャインキャイン――― 」
「今のうちに急いで、先にミュー様を予定通りに合流場所へとお連れしなさい。此奴等の始末を付けたら直ぐに後を追います。ルートは分かってますね? 頼みましたよ? 」
「カシコマリマシタガレオサマ」
2人肩を並べて走り出す。
「あ⁉ アンタは――― 」
「コワガルヒツヨウはゴザイマセン。ワタクシは、コウミエテモ、メッチャユウシュウナアンドロイド
「もぅフラグだらけじゃんお前ッ」
「イイエ、ワタシはフラッグシップモデルノ――― 」
「ボケなくていいから早くしなさいよッ」
廊下を突き当り右に曲がると、直ぐ左手に現れた鉄扉の前で止まる。耳穴から端子の付いたコードを伸ばすと扉の電子アクセス端末にぶっ刺し解除Noを探る。
「シバラクオマチクダサイ」
そう言い放った僅か数秒……
「キマシタ‼ ヒラケ~ドラッ」
「銅鑼ぁ⁉ 」
重厚な扉の奥に広がる
「ゴアンシンクダサイ」
「安心できねぇよッ ゴマ何処やった? 」
「ハイテマスヨ? 」
パチンと人工培養で得た指を鳴らすと、パイプ管に付いて居る作業点検用の小さなランプが、やる気のない明るさで暗闇の数を減らしてくれた。更に勢いよく煙を含んだ息を正面に細く吐き出すと、無数のレーザーが浮かび上がり侵入者を出迎える。
「あれは? 」
「セキガイセンのセキュリティシステムデスネ」
「ヤバい感じに張り巡らされてるけどッ どうすんのよ? 」
「モンダイアリマセン。スデニ、ハッキングズミデス」
指を鳴らすと瞬時にレーザーは消え失せた―――
―――おおッ―――
「ドウダスゴイダロウ」
「なんだてめぇ」
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