第6話 忘却

少し腰を卸して休んでみた

今日はは安らぎ

     それも 一瞬の

明日は激動

明日は激動


一瞬の安らぎのうち

    振り返って見ても

一緒に来た者はもういない

   過去から連れて来たのは自分だけ



あの人も何処へ行った

この人も何処から来た


目の前にいる

あの人は誰だろう

この人は誰だろう


かすかに残った昔の面影に

昔の面影を見つける


彼女は大人になった

かすかに残った昔の面影に安堵する

私も大人になった


白髪混じりの髪が時の経過を知らせる

鏡の前の自分は誰だろう


過去から連れて来た自分も

      いずれいなくなる


なんて遠くへ来たのだろう

昔は恐れていた遠くへ来たのだ


もう断ち切れた彼女との関係

彼女は自分を見つけるだろうか


いずれ面影は消えるだろう


彼女も自分も見つけ出せるだろうか

もう心配は無用だ

変わった彼女に私は無用


過去の彼女の慈悲は本物だった

彼女は変わってしまった

変わってしまった彼女を理解しよう

彼女の本質を疑わず


彼女は気づくだろうか

私も変わってしまったと

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