街へお出かけ

「それで、懲らしめるって言っていたけれど一体何をするの?言っておくけれど

悪い事をするって言うなら私は賛成できないからね?」

私は、エミリアにそう問いかけるとエミリアは分かってるって~と

言いながら、私の手をぎゅっと握ってきた。

私はそれに答えるように、エミリアの手を強く握り返した。

本当に分かってるかはちょっと不安だけれど、エミリアを信じることにした。

*******

次の日の朝、窓から差し込む日の光で目が覚めた。

昨日はあんなに騒がしかったのに、今は静まりかえっていていた。

窓を開け、外の空気を吸う。

外は快晴で、気持ちの良い風が吹いていた。

「いい風……ふふ、今日もいい日になりそう」

そう呟いて窓を閉じた。

その時、 コンコン とノックが聞こえた。

誰だろうと不思議に思っていると、 ガチャッとドアが開いた。

「おはよ~ルカ!」

「エミリア!貴方昨日帰ったんじゃないの?」

「えへへ……そうなんだけどさぁ、ルカに早く会いたくなって来ちゃった」

そう言いながら、私の腕に抱きついてきた。

相変わらずスキンシップが多い子だと思いながら、抱きしめ返した。

「全く……朝食は食べたの?」

「ううん、まだー」

「そう、じゃあ一緒に食べましょう」

「うん!」

「ふふ、今から着替えるから先に食堂に行ってて」

「はーい」

そう返事して、エミリアは部屋から出て行った。

私はいつも通り、クローゼットの中から服を選んで着替えた。

*****

食堂に着くと、既にエミリアは席についていて美味しそうにパンを食べていた。

私も椅子に座って、用意されていた朝食を食べることにした。

今日のメニューは、焼きたてのパンとスクランブルエッグとサラダだった。

どれもとても美味しくて、あっという間に完食してしまった。

それから、私とエミリアは街に行くことになった。

目的は、エミリアの用事と私の買い物だ。

私の買い物と言うのは、最近出来た紅茶専門店に行きたかったのだ。

そのお店は、紅茶の種類が豊富らしく、珍しいお茶もあると聞いてずっと気になっていた。

けれど、一人だと少し入りにくいし、誰か誘おうと思っていた所だったのでちょうど良かった。

お店の場所は、街の広場にあるらしく、私達は、早速そのお店に向かった。

その道中も、エミリアとは沢山話した。

エミリアの話は面白いものばかりだから、飽きる事なく聞くことができた。

そんな風に歩いていた、あっと言う間にお店に着いてしまった。

お洒落な外観のお店で、外から見ても品揃えがいいのが分かるほどだった。

カラン とお店の扉を開けると、店内からは紅茶のいい香りが漂っていて、それだけでも幸せな気分になった。

店員さんに案内されて、私とエミリアは席に着いた。

そして、それぞれ注文をして暫く待っていると、紅茶が運ばれて来た。

目の前に置かれたティーカップからは美味しそうな香りが漂っている。

それを、ゆっくりと口に含む。

口の中に広がる芳ばしい匂い、鼻腔をくすぐる華やかな香り、喉を通る時の 心地よい温かさ。

どれを取っても最高で、思わずため息が出てしまうほど素晴らしかった。

「おいしい……」

「本当に美味しい……!私こんな美味しいの初めて飲んだかも……」

エミリアも感動しているようで、頬に手を当てながら幸せそうにしていた。

それを見て、連れてきてよかったと思った。

その後、二人で色々な種類の紅茶を飲み比べしたり、お菓子も頼んでゆっくり過ごした。

お土産の紅茶も買って、次はどうしようかと相談している時だった。

エミリアが突然えっ!?という大声を上げたので、どうしたの?と言ってエミリアが見ている方に視線をやるとそこには、アルマ様がいた。

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