14話


『事件の概要』


 資産家一家の殺害事件。金品目的の強盗殺人で、地下金庫に保管されていた、宝石類、腕時計等、計1000万円相当が盗まれていたが、絵画等美術品には手がつけられていない。

 殺害方法は刺殺で、家の台所から包丁を調達し、犯行に及んだと思われるが、その包丁は未だ発見されていない。

 犯人は土地勘があり、自宅内部に精通していた者と思われる。

 犯行時刻は午前3時~4時の間。逃走経路、また盗難品の輸送については、庭から自家用車以外のタイヤ痕が発見されなかったため、徒歩もしくは自転車で行われた可能性が高い。

 午前4時52分に三ノ宮家料理人から通報があり、警察が現場に到着したのは、午前5時、灘氏が現場に一番に到着し、現場の指揮を執った。


○容疑者1、上原忠雄。

 主人の死後、遺言状より、退職金として一億円分の財産を引き継ぐ。その財産とは三ノ宮氏が所有していた美術品である。

 事件当日は、夫婦ともに休暇中であった。


○容疑者2、上原なおみ。

 上記と同じく、退職金として1億円分の財産を引き継ぐ。


○容疑者3、岸井修司

 美術商人。三ノ宮氏は美術の収集が趣味であり、その縁で知り合った。彼から買い取った作品がいくつかある。上原夫妻の美術品を引き継ぎ、売却した。

 事件当日は、自宅マンションで過ごしていた。防犯カメラから確認。


○その他

 国税局より、三ノ宮武蔵は正規の資産以上に、隠している財産があり、脱税の疑いがかけられている。顧問税理士より氏の隠し財産の存在のタレコミがあった。

 また、上原は取調べにて、三ノ宮家の家計を任されていたが、隠し財産については知らないと供述、脱税についても否定を続けた。

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