後書き

おわりに

【総括】


 表現や語彙力の拙さ、特に「……」(三点リーダー)の頻出が目立ちます。台詞の多用と地の文の少なさもバランスが悪いです。誰が喋っている台詞なのか、読者様方はさぞ混乱されたことでしょう。


 ストーリーは整合性よりも勢い重視です。俗に言うヒロインレースの決着も、客観的に見て唐突感は否めません。それでも当時の作者にとっては、これが精一杯の表現でした。




【メインヒロイン】


 一つ言い訳をさせていただきますと、当初からカレンは終盤で再登場、ジェロムの危機を救う役割の方を主軸に考えていました。初めからメインヒロインとしてデザインされていたのは、リディアの方であったりします。


 リディアは序盤 (第3話)から登場し、続く武闘会では出突っ張りです。オーディンの鎧兜で顔を隠していたのは、当時の実力で精一杯のミスリード狙いだったのでしょう。




【心理描写】


 自作への影響源として少年漫画とともに忘れてはならないのが、ロールプレイングゲームの存在です。あの淡々としたテキスト文が本作、ひいては現在の文体に及ぼした影響は大きいと感じます。


 『ラグナレク』原本は挿絵によってキャラクターの表現を補っていた部分が多々あります。本文内に心情描写が乏しい原因は、むしろこちらが主であるかもしれません。




【今後について】


 エンドクレジットの末尾に「To Be Continued...?」とありますが、これは原本を忠実に写し取っただけで、残念ながら続編などはございません。あしからず。


 次作以降は表現が過激化していくので、今作のように最小限の修正で掲載するのは難しいと思います。

 ですが万が一「次」があるならば、丸写しではなくもう少し読みやすく校正をかけるよう心がけたいです。


 何より、原文=悪文を忠実に再現しようとすると、かえって疲れるのです。普通に校正したほうが楽だと、今回身に沁みて感じました。


 最後に、怖いもの見たさで本作を最後までお読みくださった読者様方、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。



真野魚尾

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