【GL】それでも〇〇回フラれてしまう女

葉っぱ

第1話 見つける。まだフラれてない。

 31歳、独身、会社員。名前は佐々木樹里。


 平日は毎朝、通勤で電車に乗る。その前に数軒のファーストフード店をルーティンでモーニングを食べるのが日課だったけど、今日はなんとなく思い立って、最近出来た健康志向のスムージー店に行くことにした。


 すごいよね。朝から開店するなんて。こういうおしゃれな店ってあまり入らないから緊張するなぁ~。若い子がたむろってる店でしょ?


 斜に構えつつ、店内に入るとまだわりと空いていた。ラッキーなんて不謹慎にも喜びながら、看板に書いてあった一番人気のケールとか林檎の入ったスムージーとなんかいろいろ入ってるサンドイッチを頼もうとレジに近寄る。


「おはようございます。ご注文どうぞ?」


 そう話しかけてくれたのは、まだ20代になるかならないかくらいの・・・


(大変です!かわいいがいましたっ!!!)


 私、女の子が好きなんですよ。て言うかこういう子が好きなんです。なんていうの?韓流アイドルっぽい、指でハート作ってくれそうな感じ。


 え、え、めちゃくちゃタイプなんですけど?


「あ、えーと。初めてなんですけど、お姉さんのおすすめってありますか?」


 常套手段。おすすめを聞いて印象つけますよ。どうせ面倒くさいのよ私は。


「そうですねぇ。私はベリーミックスのスムージーが一番好きです♡」


(大変ですっ!語尾っ!語尾ハート!ありがとうございますっ!)


「じゃあそれと、このサンドイッチにしようかな。」


(ねぇ、誰か教えて?サンドイッチとサンドウィッチ、どっちで言えば良かった!?)


「はい。チキンマスタードアンドキャロットのサンドイッチですね?」


(合ってたー!カタカナ多いなー!)


「千、〇〇円です。」


(高い!いつもならワンコインなのに。か、通えるのかこの私に!?)


「ありがとう。(ニコ。)」


 目を見て微笑んでみた。ど、どうかな?


「うふふ、お席でちょっとお待ちくださいね?」


(ぎゃわいいっ!すきっ!)


 こうして、私は癒やしの場所とスムージーアイドル大天使を見つけてしまったのでした。この翌日から私はお昼のお弁当を自炊と決意。毎朝ここへ通うと決めた。

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