不屈

第28話 嵐の前の静けさ

春のそよ風が頬をよぎる。

デーモスクラトス、ジョージアナ区には、賑わっていた。

会場である、マジックガーデンには、スカーフェイス対ダニエル・J・コーベットの2人の対戦を観に大勢の客が、会場を埋め尽くしている。

控え室にて。

セコンドには、ブレンダンジムの面々に頼み、来てもらった。

俺、一人では、心細かったから助かったぜ。


「なあ、スカーフェイス、試合は大丈夫なのかよ、勝ったとしても…」


「タケシ、勝負の前に勝負の後の事を考えてもしょうがないぜ」


「だけどよ」


「俺はあの男に勝つ、先ずはそれからさ」


バンテージを巻きながら、スカーフェイスは言った。

バンテージを巻き終え、グローブを紐で締めながら紐の周りをテーピングテープで巻いていき、試合の準備を終えた。

モニターでは、試合はまだ、続いてるようだ。

いや、TKOだ。

レフェリーが試合を止めた。


「スカーフェイス選手、出番です」


そう呼ばれ、俺達は試合会場へ、足を進めた。

スカーフェイスは青いガウンを纏い

通路を進むと、会場の客が賑わっている。

カメラが俺達を撮り、フラッシュがたかれリングへ進む。


『青コーナより、スカーフェイス選手の入場です』


リングアナウンサーが紹介し、リングへ上がっていき、スカーフェイスは会場の客に手を振った。


「赤コーナーより、ダニエル・J・コーベット選手の入場です」


赤いガウンを纏ったダニエル・J・コーベットは、セコンドを引き連れ華麗にリングインした。


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