日間作薬(ひのまのつくりのくすり)

三十冊 綴

第一章 出発(たびだち)

某国、某所にある銀杏(いちょう)村。


ある日の事…。



老人「大変だ!!」


少年「どうしたんだ、じっちゃん!?」


老人「長老様がお倒れになったそうな」


少年「何だって!? 俺、ちょっと行って来る」


俺は、川岸 闘(かわぎし とう)。


長老のところで、友人とちょっとした拳法の真似事をしている。


俺は、拳法の師匠である長老の家に向かった。


長老の家に着くと、先客がいた。


闘「よぉ、然!」


然「遅いですよ、闘。」


こいつは、亜勝 然(あかて ぜん)。長老のところで一緒に修行している。俺の友人だ。


闘「で、長老の具合は?」


然「うん、あまり良くないみたい」


闘「何とかなりそうか?」


然「その事で、爺ちゃんが話があるって…」


闘「村長が、俺に?」


然「正確には…僕たちに、だってさ」


数時間後、俺たちは村長の家、つまり然の家にいた。


村長は、俺たちの前に座り、深刻そうに話し始めた。


村長「お前たちに集まってもらったのは他でもない。長老の病を治せるという薬を二人に取ってきてもらいたいのじゃ」


俺は、思わず村長に訊いた。


闘「それで長老は治るのか?」


村長「そのはずじゃが…今はそれに賭けるしか無いのじゃ。二人とも頼んじゃぞ!」


然が、突然、村長に尋ねた。



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