限界なんだ

 正解なら知っているのに、僕はどうしても答えられなかった。


「今回は調子が悪かっただけだよな?」


 僕は父さんが手にした八十五点のテスト用紙と向き合わされる。


「あなたなら、もっとやれるわ!」

「次こそ大丈夫さ!」


 父さん、母さん。

 僕は、もう。


 伝えたいはずの一言が、どうしても言えなかった。

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