悪徳商法

 あどけなく笑う彼女が、僕の救いだった。


「あなたは誰にでも優しいね」

「そう?」


 教室の外から聞こえてきたのは、同級生と談笑する君の声。


「何でアイツにも優しいの?」

「気に入ってるの。彼に優しい自分が」


 君は笑顔で僕を奈落に突き落とす。


「タダで優しくしないよ」


 君だけが、僕の味方だったのに。

 

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