43th mission 紅の槍
「血を操る魔法……。私達、吸血鬼にのみ使用する事のできる魔法。本来、魔法は1人1つ。しかし、人間を辞めた私達吸血鬼はそれさえも超越する。元々人だった頃に授かった魔法とこの血を操る力。2つの力を使う事ができる! まぁ、最も……それは私がノース様のおかげで吸血鬼になる事のできた幸運な人だったってだけなんだけど!」
そう告げると吸血鬼の女は、自分の体から外へ出て地面に零れ落ちた血液達を自分の手の周りに集めて、一本の紅色の鋭利な槍を作り上げた。彼女は、槍を作り上げるとそれをそのまま指でクルクル回転させて、槍の先を俺に向けてきた。
「……さて、この槍の一突きをお見舞いしてやろう」
女は、そう言うと俺に鋭利に尖った槍の先端を向けたまま……俺に向かって攻撃を開始した……!
その姿は、まるでゲイボルグを持ったクー・フーリンのよう……。恐ろしい女のその構えに怯えてしまった俺は、足が固まってしまう。
そんな俺に容赦なく女が近づいて来て長い槍を一気に突いて来る。その紅の槍は、どんどん長さを増していく……。
そして、長さが極限まで達した所で女は、一気に詰めかけてくる。
「……やっべ!」
慌てて俺は、体を動かして避ける。しかし、避けたのと同時に女は更に俺の元に槍を撃ち込む。……すかさず、俺はすぐに避けた足を上げてかわす。
だが、また……何度も何度も槍が俺に襲い掛かって来る。紅の槍は、何度も何度も蜂の針のように刺しにかかる。
――なんて野郎だ……。手強い事この上ねぇ……。
ピンチは、まだまだ終わらない……。
――To be continued.
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