別れの春は永久に

有魔

プロローグ


春が来ると、毎年思い出すのは

無邪気な笑顔でワタクシを見る、彼の事だった。








___春永しゅんえい! 今日も来てくれたんだね!














__窓の外、桜咲きそうなんだよ!


















___ゲホッ、ん、ごめんね!大丈夫!

それより、今日もお話聞かせてよ!






















___ゲホッ、ゲホッ!! 春永、ごめんね。

今日はお話できそうに、ないや。





















_____。






窓の外でも聞こえる 慌ただしい声と、

無機質な機械音。






1枚のガラス越しに見えた彼は、もう

息をしていないのだろうと、思った。






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