第3話標準語

羽弦トリス警部補は、今日も勤務を終えて夜間外来へ。

喘息だが、薬も出されず帰宅した。

よせばいいのに、タバコを吸う。咳き込む。

こんなバカは、警視庁2回受験して落っこちて良かった。鹿児島弁の東京の警察官はいない。もう、鹿児島を出て23年だがタクシー以外は鹿児島イントネーション。

タクシーはちゃんと伝えないといけないから、標準語を使う。

「標準語はNHKが使う言葉」

と、その昔は言われていたが、標準語は山手近辺で使われいる言葉が標準語と言う噂がある。

だが、東京に住む根っからの江戸っ子は標準語ではない。

落語に出てくるような、語り口。

鯛を"てい"とか、「食べて下さい」が、「食ってやって、おくんなせぇ~」とか。

だいたい、東京の総人口の7割は地方出身者であろう。

僕なんか、鹿児島イントネーションで生活しているが、何度も聞き返されると標準語になる。

また、意識せず標準語になっている事がある。

鹿児島県人会で、標準語を使うと何か恥ずかしい気持ちなる。向こうも鹿児島弁じゃないと、売国奴の様に思われる。


しかし、あれだね。関西弁はどこでも使えるよね。

東に対抗するのは西。

これは、文化の違いだと思う。

親戚に関西が多いが関西弁には、てらいがない。すっと、心に馴染む。

テレビで、たまに地方の言葉使う歌手やタレントがいるが、まぁ~関西弁の多い事。

関西弁は理解を示す所は多いが、鹿児島弁聴いて、

「ちゃんと、日本語で話して下さい」

とか、

「どちらの、国の方ですか?」

なんて、言われた日にゃ、恥ずかしいやら、怒りやら。

僕はこれからも、鹿児島イントネーションで生活するだろう。

トリス警部補は、そう言う事を考えながら小一時間眠るのだ。

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