第2章 脱獄

雨が激しく降り続ける森の道なき道を、クリスの運転する電気自動車は、街へと向かって走っていた。


ダン「クリス、これから、どこへ向かうつもりだ?」


クリス「そりゃあ、街に決まってる。よく言うだろう。『木は森に隠せ』って、…隠れるのには、人が多い街なかに隠れるのが一番に決まってる。」


クリス「そうさなぁ、とりあえず、ネオ オーミヤ シティ辺りはどうだ?あそこなら、リニア(モーターカー)も通ってるし、逃げるのにも困るまい」


ダン「あぁ、悪くない…お前に、まかせるよ」


車内は、それきり、静寂に包まれ、雨が窓に打ち付ける音だけが響いた。


森は相変わらず、ひどい雷と雨の音に包まれていたが、夜は確実に深くなっていった。



数時間も走ったかどうかという頃、突然、車内のカーナビが、静寂を破って、叫び出した。


ナビ「バッテリーが残量不足です。目的地まで持ちません。強制的に最も近いバッテリー・ステーションに向かいます!」


クリス「なんだって?」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る