第27話 日本最強殺人鬼決定戦 アマチュア 完 おやすみ
ハァ~こんな事だろうと思った。
マンションに帰ると竹中麗が居た。
「お帰り、泰明…無事で良かった」
「麗です…宜しくお願い致します」
やはり、これか…
麗は手はあるが、足は明日香と同じで膝から下が無い。
「あの…」
「あははっ、手が無いとサービスが出来なくて商品としても価値が下がるからって…私は手だけは残して貰えたの」
「そう…ですか…」
しかし、ユアシャークって凄まじい会社だよな。
逃げようとしたからって手足迄斬るかね。
この会社の人が出た方が、大会は盛り上がるんじゃないかな。
「ごめんね…だけど、想像はついていたでしょう?」
「まぁ…」
俺がいない間の明日香の世話を頼むつもりだったんだけど…
これじゃ、ハァ~世話する相手が1人増えただけだ…
「仕方ない、ちゃんと面倒見るよ」
「ありがとう…うっ私、此処を追い出されたら、殺されるしか無くて…」
「前に明日香から聞いたから…追い出さないから安心して」
「ううっ…ありがとう…」
「良いよ、これから先はギブ&テイクで過ごすつもりだから…明日香…使わせて貰うよ」
「…うん、良いよ…それしか出来ないから…」
「悪いけど、麗も使わせてもらう」
「わ、解りました」
俺は2人を順番にお姫様抱っこをしてベッドに寝かす。
「あの…優しくしてくれると嬉しいな…なんて」
「何でもしますから…痛い事だけはしないで下さい」
「解った…」
俺はそのまま両手に花の状態にして彼女達を抱きしめた。
変な状態じゃないW腕枕で彼女達の両肩に手をまわしている。
こうして見ると…二人とも凄く可愛い。
髪の毛の良い香りがしてきて髪が鼻にあたりくすぐったい。
「あのちょっと…その…しないの」
「手でしてあげようか?私口も上手いから…する」
「しない…明日香は知っていると思うけど…俺、また4人も人を殺したよ...」
「知っているよ…だけど泰明の場合仕方ないじゃん…それしか生きる道が無いんだから」
「あの…私もその賞品だから、話を聞きました…来るまで怖かったですが…明日香ちゃんから事情を聞いて、仕方ないですよ」
「だけど、俺は自分が生きる為にこれからも人を沢山殺す…と思う」
「人間なんだから『死にたくない』って思うのはあたり前だよ…私を見なよ…こんな姿になっても死にたくないからから生きている…泰明に会うまで地獄だったのは知っているよね」
「あの…私も同じですよ…こんな姿になっても、死にたくはありません…人間って…そういう物だと思います…それに面白半分で私達をこんな姿にする人間より泰明さんは真面だと思います…あの、それじゃ」
「そう…ありがとう…そう言うのはしないで良いから…このまま寝かせて…」
「「えっ」」
二つのぬくもりが凄く心地よい。
俺はお金も欲しく無いし…飯だって牛丼で充分…服はウニクロで充分…
欲しい物は何も無い…
だけど、このぬくもりだけは…欲しい気がする。
最低なこの世界で…唯一暖かい。
何時しか…俺は眠くなり、そのまま意識を失った。
今は何も考えず…このまま眠りたい。
※ 日本最強殺人鬼決定戦 アマチュア 完
暫くして新展開の新章がスタートします。
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