特殊ギフト「亜空間ホテル」で異世界をのんびり探索しよう[本編完結済]
風と空
第一章 セクトの街編
第1話 プロローグ
「さて…… なぜ僕はここにいるんでしょう?」
絶賛混乱中の僕こと佐藤
僕が今目にしているのは、夜だったのに明るい陽の光の中行き交う人々。洋服と言って良いのだろうか?多くの人々はチュニックにズボンに皮のサンダルといった服装です。
ここは外国でしょうか?
建物が煉瓦調なのはいいですが、人々の中に武装した人がいらっしゃいます。外国にしても、聞こえてくる言葉は日本語なんですよねぇ。
「さぁ、安いよ!仕入れたばかりの野菜だ!見て行ってくれ!」
「オーク肉の串焼き、焼き立てだよ!」
「ねえ、あっちのお店もっと安かったわよ」
「パン焼き上がったよ!一つどうだい」
屋台やお店から聞こえてくる声は日常そのもの。ただし、人々の風貌は地球では見ない人達ばかり。髪の色がカラフルすぎるんですよ。しかも耳が頭から生えているんです。
不意にドンッとぶつかられてしまいました。慌ててぶつかった方向を見ると、子供が舌打ちして逃げていきます。おや、失礼。
ずっと突っ立っていましたから、どこか落ち着ける場所を探しましょう。
僕は人?が多い所から少し歩いた所にあった、開けた広場みたいな所を見つけました。様子をみると、屋台もちらほらあり、地面に座ってご飯を食べている人達の姿があります。
ここなら落ち着いて考えられますね。どっこいしょっと。
ん?年寄りくさいって?仕方ないじゃないですか。僕の両親は小さい頃事故で亡くなり、祖父母に育てて貰ったんです。言葉は特に厳しく躾けてもらいましたねぇ。
それにこの落ち着き様は昔からなんです。不思議な事にも余り驚かない性格でして。おかげで今も助かっていますけどね。
さて、見えている状況から考察するに、僕は地球ではないところにいるでしょうねぇ。
僕だってネット小説は嗜んでいるんです。異世界転移、転生の話は大好きですよ。でもまさかそうなるとは誰だって思わないでしょう。
でもどうやらこれは本当でしょう。確証したのは、よくあるテンプレ異世界ものにある言葉をボソッと呟いたからです。僕の目の前に宙に浮いている文字が現れたんですよ。
トシヤ (19) 男
HP 150
MP 50000
スキル 生活魔法
ギフト 亜空間ホテル
称号 異世界からの来訪者
………… 異世界なんでしょうねぇ。
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