猫になったよ2

 さて、この愛され癒しボディを手に入れた今、もはや無敵と言っても過言じゃないんだけど、当面ご飯を探さなきゃ生きていけないよね

 幸いにも体は成長した姿だから、狩りくらいはできそう。でも、うーん、ネズミは流石に食べたくない。となるとやっぱり魚か

 私は川に沿って歩き、魚を探した

 この川かなり綺麗で飲み水にも最適

「んな」

 取りあえず喉が渇いたから水を飲もうと川を再びのぞき込むと、いきなり大きな魚が私を食べようと飛び出してきた

「んにゃああああ!!」

 驚いて後ろに飛び下がると、魚は川の中から恨めしそうにこちらを見ている

 やーい、こっちまでは来れないだろうーなんて思っていると、魚は突然ガバッと首から下を川から出した

 いや待って、待って待って、何こいつ

 体完全に人間の男じゃない

 変態! 変態に間違いない!

「んなお!!」

 追っかけて来るから臨戦態勢

 バステト様がちょっとやそっとじゃやられない体にしてくれてるはずだから、こんな変態なら引っ掻けばひるむか逃げる貸してくれるでしょ

 爪をシャキンと伸ばし、その男のお腹辺りを引っ掻いた

「ギョギョ!!」

 魚男は変な声を出して倒れた

「んな?」

 ちょっと切り裂いただけだからほんのかすり傷のはず

 倒れるほどじゃないんだけど

「んんなな」

 ちょんちょんと指先でつついてみるがピクリとも動かない

 そしてその魚男はどうやら死んでいるみたい

 その死体から何か玉のようなものが転がり出た

「んーなー」

 こいつ変態じゃなくてモンスター?

 魔物がいるって言ってたし・・・。これが、初魔物だなんて

 よし記憶から消そう

 そういえばいくつか加護をくれるって言ってたけど、何をくれたのかな?

「んんなーお」

 あれ? どうやったらわかるのこれ

 どうにかして加護がどんなものなのかを知ろうとしたけど分からない


 数分試行錯誤してると、ようやく加護がどういったものかが分かったよ

 まず今目の前に突然現れたモニター

 これは自分の能力やら何やらを調べるのに役立つみたい

 ついでにいうと何かを調べることもできるっぽい

 ひとまずは自分がどんな感じなのかを見てみる

「んにー」

 モニターには自分の種族名やらその説明、どう言った能力を持ているかなどが書かれていた

 えーっと種族名は、猫魔物・・・。魔物、なんだ

 あ、横に称号の項目がある。バステトの眷属

 なるほど、眷属になったんだ

 まあその辺りはまたでいっか。今は能力だよ能力

 能力は、まずこのモニターのことかな? 鑑定か。これでいろんなことが詳しく分かるみたい

 それから言語理解。これはこの世界のどんな言語も分かるっぽい

 ただ分かると使えるでは全く別で、私は今猫の鳴き声しか出ない

 あと戦闘用の能力みたいなのがいくつかと、猫懐柔とかいう面白そうな能力もある

 猫懐柔。十中八九猫を手なずけれる能力。何それ私得すぎるんですが

 これは猫に会えたら使うしかない

 そして最後に、空間収納というのがあった

 まあこれはあれだね、アイテムボックス!

 猫の体で荷物の持ち運びなんてできないもんね。これはバステト様グッジョブ

 ひとまず魚男から出た水色の玉を収納してみた

 シュンと消えて、空間収納の欄に魚玉と書かれる

 魚玉、なにこれ

 それを鑑定で調べてみると、レアアイテムと書いてあった

 武器の素材として使えるみたい

「んにゃにゃ」

 ひとまずモニターを閉じて、私は食料を求めてまた歩き出した

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