リアル転生?

 本当に転生していたら面白いな、というお話です。


 実は甥が、昔飼っていた犬にそっくりなんです。

 顔ではなく、性格が……。


 昔飼っていた犬は、兄の学童卒業後に、遊び相手として我が家にやってきました。

 犬種はシーズー。気の弱い性格です。


 似ているのは、ここではありません。


 私の物を欲しがる所――姪の物を欲しがる所。

 自分のことを可愛いと思っている所。

 そこにつけこんで、女の人は自分の言うことを聞いてくれる、と錯覚している所。


 別に甥でなくても、と思われるかもしれませんが、他にも色々。


 それで母に似ていることを言ったんです。


「言われてみると……」


 さらに母から兄へ。


「似ているかも」


 段々信憑性が高くなり、本人の耳に入ってしまいました。そしたら、


「犬じゃない」


 うん。それは知っている。君は人間だよ。


 小学校低学年の子には、まだ上手く伝わらなかったみたいです。


 因みに兄は「顔だけは可愛い」と愛犬を評価していたことが分かりました。


 まぁ、兄は嫌われていましたから。

 その息子に、果たして生まれ変わるのだろうか。


「それでも、一緒にいたくて戻ってきたんじゃないの」


 母の発言にも違和感が……。やっぱり気のせいでしょう。


 因みに愛犬が一番好きだったのは、多分父だと、私は思っています。


 父は優しい性格で、世話好き。さらに我が家の家事をしているので、勿論愛犬の身の回りの掃除も父が。


 お陰で愛犬も綺麗好きになりました。


 力のない私や母が抱っこするよりも、父の方が安心するようですし。


 けれど父に一番怒られています。私と兄には滅多に怒らない父が。


 そんな父なので、姪と甥にも懐かれています。やっぱり小さい子には分かるんですね。

 優しい人間ということが。


 因みに私と母は子どもが苦手なのでダメです。

 甥のお願いも、可愛く言っても通用しません。


 そういうお願いはね、君の大好きなママに言いなさい。


「ママはね、可愛いんだよ」


 そんな発言をしている甥っ子です。

 早く成長してくれ……。


 ※因みに、この話は数年前の出来事を参考にしています。

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