震える手の君へ

がしゃがしゃと音がする。

ざわざわかもしれない。

考えるのも疲れてしまったよ。

声を出そう出そう。

僕はここにいるよう。

聴こえたかな。

気がついたかな。

僕はここにいるよう。

お願い行かないで。


なんだか甘い匂いがするな。

少しなつかしいけど、ちょっとちがう匂い。

どこだろう。

ああごはんの時間だったんだ。

お母さんがきてくれたのかな。

わからないけど、ひどくお腹がすいているんだ。

飲んでいいの?

ああ、おいしいな。

けどつめたい。

やっぱり僕がよく知らないやつかもしれない。

でもおいしいよ。

ありがとう。

なんとなくわかってはいるんだ。

きっとこれは夢で、目がさめたらまたくるしいのかもしれない。

いやだな、くるしいのは。

逃げたくなるのに、その力がでないんだ。

だからせめて今は、夢でも、おなかいっぱいにごはんを。

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