第18話 V CLOWN②


第二試合目は少し様子を見るためにこそこそしていると他チームに気づかぬ間に裏を取られてしまい10位だった。


朝霧さんチームは今回は先輩たちのチームに勝ったようでちゃんと一位を取っていた。


「これどうする?朝霧さん攻めたら先輩達来るし、先輩達攻めたら朝霧さん来るでしょこれ」


「もう思いきって無視する?朝霧さんも先輩達も同じ方向に降りてるから反対方向に進んで逃げてもいいと思う」


「あんだけ朝霧さん達に勝ちたいって言ってたのにいいの?」


「勝ちたいけど雅くん達と勝ちたいからね」


「蜜柑ちゃんどう思うよこの子」


「結構カッコいいこと言ってますね」


『万葉って結構犬っぽいけどイケメンだよな』

『そりゃ我らの犬系男子ぞ?』

『てことは安置見て反対方向に進むってこと?』

『安置が朝霧方向に行かない限りはそゆことやな』


「じゃあ頑張りますかねぇ。このカッコいいこと言ってくれた万葉くんのためにも」


「わーいわーい」


『なんだ、やっぱ可愛い男子か』

『万葉がいると蜜柑ちゃんが霞む』

『何言ってるんだ。FPSで暴言普通に出るやつと可愛い犬を比べるなよ』


「え、蜜柑ちゃん暴言吐いたの?」


「そ、そんなこと~?ないですよ~?」


「そんな子に育てた覚えはないわ!」


「育てられた覚えもないですよ!?」


「良いもの一杯食べさせてあげたじゃない!」


「うぐ…そうですけど…」


「まぁ冗談だって。出るときは出ちゃうからね。仕方ないよ」


『蜜柑ちゃん振り回されてんな』

『こんな男だよ、春野 雅って男はな』

『賑やかになるけど結構めんどくさいタイプの男だ』


「めんどくさい男っていったやつ、あとで校舎裏に来い。愛の告白をしてやろう」


『そこはボコる方の呼び出しだろ』

『何告白しとんねん』

『ごめん、俺男なんだ』


「男でも俺は…構わないよ」


「キャァァァ!!!」


「ん?蜜柑ちゃんどうした?」


『おっと蜜柑ちゃんのBL好きが出てますね』

『配信で雅×万葉出してたな』

『えっ…何それ聞きたい』


「もういいからその話は!ほら雅さん、始まりますよ!」


「俺は同期でBL作ってた蜜柑ちゃんに驚きを隠せないよ」


「もぉぉぉぉぉぉ!!!!」


「ほら、万葉、始まるぞ」


「はーい」


『完全な弄られ役、夏風蜜柑』

『蜜虐助かる』

『面白すぎ』


「あ、万葉と蜜柑ちゃん欲しい物資ある?」


「ショットガンが欲しいです!」


「俺の完全無欠アタッチメント付きショットガンを与えよう」


「なんですかその小学生が考えたみたいなやつ」


「うぐっっっ」


『少年心を忘れない雅に1000のダメージ』

『このカッコよさが分かんないか~』


「あ、敵きてるよ」


「ちょっと待って、シールドだけ取らせて!」


「ごめん結構ミリだけど逃がした!回復させて!」


「雅くん下がっていいよ!ミリの人やったから!」


『歌もFPSもカバーが上手い男』

『普通にコメント上手いやついたな』


「あ、ログ見たら先輩達死んでんじゃん!」


「てことは朝霧さん達が勝ったんだね」


「やっぱバケモンだな」


終盤まで朝霧さん達と会わなかった俺達はラスト三部隊まで減っていた。


「あ、やっぱ朝霧チームが一部隊落とすか」


「じゃあ攻めようか」


「万葉カバーよろしく」


「オッケーオッケー」


「卯ノ花さん回復してんね。卯ノ花さん潰そう」


「一応軽くダメージ与えてます!」


「あ、やべ、裏行ってるの気づかれた」


「卯ノ花さんやったやった!けど普通にヘッショいれられて体力ミリ!」


「万葉くん退いて退いて!」


「朝霧さん落とした!残りLITEさん!」


「三対一だから落ち着いていこう!ここでチャンピオン取れないとキツい!」


「LITEさん半分くらい削ってるけどやられた!」


「回復される前に攻める!」


そしてショットガンの引き金をひいて出た画面は。


【Champion】


「よっしゃぁぁぁぁ!!!!」


「ナイス雅くん!」


「雅さんナイスです!」


第三試合、勝者 春野雅チーム













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