パッチワーク・アース

@HasumiChouji

序章

夏のオリオン

 あの夜、俺は寒さで目を醒した。

 日本に住んでいる者なら誰もが知っている通り……その日は八月一六日の筈だった。

 ふと、枕元に置いていた目覚まし時計を見た。

 目覚まし時計に付いている温度計が表示している温度は……。

 ……ああ、この気温でタオルケット1枚で寝ていれば、そりゃあ……。

 最初は、そんな呑気な事を考えていた。

 しかし……。

 脳が覚醒するにつれて、当然の事に気付いた。

 どう考えても、八月の気温じゃない。

 まぁ、そんな世代だから、当然ながらスマホでこの異常な気温に関する情報を得ようとしたが……。

 繋がらない。

 Googleにもtwitterにも……。

 その時点でお手上げだ。

 マスコミのWEBサイトを見る時は、いつもGoogle経由だった。

 部屋にはTVもラジオも無い。

 つまり……マスコミからの情報は得られない。

 おかしい……。でも、原因は想像も付かない。

 じゃあ、外はどうなっているだ?

 ようやく、その事に思い至った俺は、それを確認する為に窓を開け……。

 外の空気は異様に冷たい。

 晴れ渡った空には……俺でも知っている星座が有った。

 だが……同時に、学校の成績がイマイチだった俺でも……その星座が夏の空に有る事がおかしい事だけは良く判った。

 多分、その時、俺は阿呆みたいな表情つらになってたと思う。

 

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