父との約束

 顔も声も思い出せない父ですが、母と、ある約束したそうです。


 それは、私が二十歳になったら指輪を贈るということ。


 仕方ないけれど、忘れられていましたけれどね。


 指輪が欲しかったわけではありません、むしろ、指輪なんていらないから、ただ声が聞きたかった。


 脳内録音して、いつでも再生できるようにしたかった。


 もう新しい家庭があり、お子さんもいると母が言っていてから、会えなくてもいい、ただ声が聞きたかった。


 仕方ないけれど、寂しかったです。



 いつだったか、そのことを高校の時に作文に書いたら、担任の先生が感動してくださり、みんなの前で発表していいか、と、聞かれました。


 でも、高校は多々ある闇期絶頂期真っ只中だったので(多々あるんかい)、「やめてください」と、お断りした記憶があります(苦笑)


 酷い生徒です(苦笑)


 ですが、コミュ障なんで、作文を発表したことで、みんなにどう思われるかが、怖かった。


 人目がとにかく気になった。


 だから、断ってしまった。


 酷い生徒でした(苦笑)


 あの時の、担任の先生に会えるのなら謝りたいです。

 

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