第9話
「そういえば、契約とか俺の右手に浮き出る紋章これってなんなの?」
「これは、私がマスターを命に代えても助けると言う契約なんです。なので、マスターが危険な時にクレストと叫ぶと私がマスターの盾となり守ることが出来るのです。」
「いや、重いよ。異世界生活約1日目で重すぎる。この契約早く解除して欲しい」
「そ、そうですか....じゃあ、契約を解くには私を殺してください。そうすれば、マスターの右腕の紋章は消え契約は破棄されます。」
契約を破棄したいと言うと、悲しそうな声で短剣を俺に渡し契約の解約方法が教えてくれた。
教えてくれた契約破棄方法は重たすぎる。
「い、いや。それはいいや。」
「ですよね~」
レイに短剣を付き返し、契約を破棄することを辞めた。
レイはホッとした顔をして、短剣を収めた。
「契約を破棄されると、私も困りますので良かったです。まだ、私も死にたくないので」
「いや、契約を破棄する為に命とか重すぎん?」
「そうなんですよ。だから、聖騎士となった人は契約せずに一生を遂げる人が多いんですけどね~」
「へえ~それはそうだろうな~」
笑いながらそんなことを言われてしまった。
俺も、愛想笑いをしてこの話は流した。
「マスター私との契約により、体に変化とかってありますか?」
俺は、体を見渡したり手を握ったり開いたりとしているが、特に体に変化は見当たらない。
「いや、特には?」
「じゃあ、ステータスって言ってみてください」
「ステータス」
そういうと、AR画面を見ているように何もない場所から俺の情報が浮きあげって来た。
これが異世界か。
そう思い、自分の情報を確認した。
Lv1
HP 30/30
MP 20/20
職業 人間
スキル 鑑定
称号・キャンピングカーを乗り回すもの
呪縛・レイとの契約
と書かれている。
異世界転生物では、スキルとか色々追加されて最強とかいうのが定番なのだが、現実はそう上手い話はないか...
しかし、気になる欄がある。呪縛?呪いってことだよね。
契約って、本来いい方だと思うのだが呪縛欄にレイとの契約と記載されている。
「おい」
「ヒュ~ヒュ~」
レイはうっかりしてしまった、と言う顔をして俺から顔をそらし下手くそな口笛を吹き、誤魔化している。
「呪縛って書いてあるんだけど?」
「見間違いじゃないんですか~(教えなければ、マスターは気づかなかったのに)」
「え?」
「いえいえ、何も」
何か、レイがボソッと喋っていたが聞こえなかった。
聞こえなかったが、教えなければ気づかなかったのにとか言ったのだと思う。
「いや、ほら」
「いえいえ~見間違えですよ~」
「そうか~見間違えな分けじゃないんだとは思うんだけど~」
「う...」
俺は顔を近づけ真顔で問い詰めると、ようやく答えてくれた。
「仕方ないですね。私との契約は呪縛扱いになるんです。聖騎士と契約すると魔王を倒さねければいけない使命になってしまうのです。魔王を倒す為にはパートナーが必要で」
「だから、呪いか」
「そうなんです。」
「それを、俺の許諾無しで俺に」
「いえ、それは誤解ですよ。私を助けたら強制的に契約することになるので、マスターも悪いんですよ。あと、助けてくれてありがとうございます。」
そういわれると、なんとも言えないな。
「なので、これで私とマスターは運命共同体です。」
「その言い方は辞めろ。」
こんな感じで、色々な情報と言っても契約の話とかステータス画面の話しかできなかった。
ここらへんで、眠たくなったので寝た。
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