▼▼ 回想:T.H.(48歳)の独り言 ▲▲

 カタカタカタカタカタ、カタカタカタ、カタカタカタカタカタ、カタカタカタカタカタカタ……、カタ!

「んあ?」

「おいおい、ちょっと待て。今結構なモン投げただろうが。さっきの奴よりも高けえんだぞ。なのに何だ、その淡泊な反応はよ。もっと何かあってもいいだろ。バカにしてんのか? ざけんな」


「……そうか」

「わかった、わかったよ」

「じゃあ今度、行ってやる。そん時教えてやるよ。いつも見てくれてる、あの人だって。沢山くれる人。そう、ソレがおれだって」

「だから今度、おれが会いに行って教えてやるから。感謝しろよ、心の底から。もしまた、気に入らねえ態度とったら」

「そん時は、オマエも——」


「ツトム」

「ツトム!」

「ねえツトム、起きてるの?」

「ツトムごはん」

「ああ! わーってるよ! 今行く!」

「チッ、うっせーな」

「しゃあねえ、行くか」

「ああ、テレビ消さねえと」

「って……あ?」


『特集 深刻さを増す‟8050問題” ~親の年金を貪る中年引きこもりの実態~』


「クッ……」

「どいつもこいつも、舐めやがって」

「みんな死ね」

「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね……」


「ピロリロリロリン」


 んあ? 今度は何だ。


『件名:ご当選のお知らせ』


 ……ほう。

「ご招待、か」

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