第11話「過去」

場変


サタン「バン、よく頑張った」


オメガ「サタン!!」


サタン「ッ!」


オメガ「やっと会えた!久しぶりだな!」


サタン・オルガーナ

オメガのいとこでありこの物語の準主人公


オメガ「なんで俺の事…」


サタン「動くな!殺すぞ!!」


それは本気の殺気


オメガ「サタン…」


サタン「お前と話すことはない、消えろ」


オメガ「待ってくれ!理由を教えてくれよ!何であの時、俺を避けるようになったんだ?!話してくれなきゃわかんねぇよ!」


サタン「聞こえなかったのか?お前と話すことはない!」


オメガ「サタン…」


去るサタン


二人は大の仲良しだった…


オメガ「…」



俺には4人の親友がいた


~約10年前~


オメガ「ハレバレ道場?ガハハハハハ変な名前!www」


サタン「オメガ~あんまりそういうこと言わないほうがいいよ?心に思っておいたほうが…」


8歳のオメガとサタン


ゴチン!


ゲンコツされる二人


闘魔「変な名前とはなんだクソガキ!」


オメガ「いってぇ!何すんだよオッサン!」


サタン「なんで僕まで~」


ゴチン!


ゲンコツされるオメガ


闘魔「オッサン言うな!」


オメガ「いってぇなぁ!子供に容赦なさすぎだろ!」


杉村 闘魔

後の師匠だ


闘魔「ここの道場を作った道場長だ。ガキ、興味ないか?」


サタン「道場…僕たち遊ぶことで手一杯なので…」


オメガ「ある!俺を強くしてくれよ!」


サタン「えぇ~…」


オメガ「魔法でブワァって一瞬で強くしてくれ!」


闘魔「んなことできるか、無能力者だ俺は」


オメガ「えぇ~!」


闘魔「それに、楽して強くなっても意味がない!一から鍛え上げて強くなれ!俺はそういう努力する人間が好きだ」


オメガ「別にオッサンに好かれたくねぇしw」


闘魔「生意気なガキだなぁ💢」


サタン「まぁ入るのはいいけど、料金とかは?今の生徒の人数は?そういうのも知っておかないと」


オメガ「お、そうだな!金ねぇから無料で頼む!」


闘魔「いいぞ」


サタン「いいの?!」


闘魔「もともとそのつもりだしな。この道場を作った理由は、能力者、人獣の絶えないこの世の中、子供や女はいつも狙われる。俺は一人でも多く、この世界で生きていけるやつを作りたい。そのために俺の持ってる基礎をお前らに叩き込む!やりたいかどうかはお前達が決めろ」


オメガ「やる!」


サタン「即答!」


闘魔「ちなみに生徒はいないぞ、お前たちが入れば一号と二号だ」


オメガ「一番乗り!」


サタン「…僕もやるよ、オメガと一緒なら楽しそう!」


オメガ「だな!」


闘魔「フン、ようこそハレバレ道場へ。必ずお前たちを責任もって強くする!何かあったら俺に頼れ、警軍2番隊隊長をしてる杉村 闘魔だ」


オメガ「おぉ!政府の隊長ってことはめっちゃ強いってことだ!ハハ、俺はロイアル・オメガ・レジェンド」


闘魔「ッ!」


サタン「オメガ、ロイヤルでしょ?ロイアルになってる」


オメガ「細かいこと気にすんなw」


サタン「僕はサタン・オルガーナ」


闘魔「うむ、よろしくな」


俺とサタンは師匠の下でたくさん修業した

もちろん修行だけじゃなく掃除やら家事やら

大人が子供にやらすことじゃねぇだろw

と思うこともした

それも修行だとワクワクしたから苦ではなかった


そして数週間後にタツヤってやつが入ってきた

最初は内気でなかなか心開いてくれなかったけど

ずっと接しているうちにいつの間にか仲良くなっていた


そしてその数日後にドラゴってやつが入ってきた

こいつはすげぇ陽キャで話しやすかった

すぐ友達にもなれた


そして1ヶ月後にグランツェ、今のあいつはブラフマーって名乗ってるっけ?

あいつが入ってきた

それから道場に入ってくるやつはいなかったけどこの5人でいることが俺の日常になってすっごく楽しかった

学校の親友たちとももちろん遊んでたけどこの5人といるときはなんか安心するって言うか、家族と同じぬくもりを感じたんだ


でも、その安らぎの時間は壊れ始める

世界は残酷だった


ドラゴが崖から落ちて死んだんだ

何かの間違いだと思った

だってあいつは俺たち5人の中で一番武術が強くて崖登りとか木登とかへっちゃらでやっちゃう奴なんだぜ?

あいつが死ぬわけ…


そしてその1ヶ月後にタツヤがいなくなった

転校したんだ

連絡先も教えてくれなかった

急だったんだ

頭が真っ白だ


グランツェは目が死んでた

あいつは無理をしてるのがすぐ分かった

いつかいなくなるんだろうなぁって思っちまった

そんなことを思ってる間に師匠がおかしなことを言い出した


闘魔「この道場を閉じる」


オメガ「…へ?」


道場が無くなった

そしてグランツェが学校に来なくなりどこかに行ってしまった

自分の両親を殺したことをニュースに残して…


そしてサタンは…


サタン「もう俺に関わるな、目障りなんだよお前」


オメガ「…」


その言葉を残して俺との縁を切った


何が何だかわからない

俺はあいつらに何かしたのか?

俺があいつらに不幸をまいたのか?

頭が真っ白だ

当然だ、当時の俺は10歳でまだ小学生だ

頭使うの苦手だしそいつの気持ちを理解してやれなかったガキだ

でも今でもわかんねぇよ

サタンがなぜあぁ言ったのか

いつも通りだった

喧嘩なんてしたことないし失礼なことは多少言ったかもしれないけど

それでもあいつがあんなことを言い出して俺の元から離れるなんて絶対あり得ないと思ってた

だって俺たち…仲間であり親友でありいとこであり、兄弟なんだぜ

世界で一番仲の良い兄弟だ

いや、それはただの幻想にすぎないのかもな…


ラグナロクでドラゴ以外の3人がいるのを知った

でもどんな顔して会えばいいのか分からなかった

だからタツヤに会いに行かなかった

だからグランツェとまともに会話できなかった

だから…サタンは…サタンは?

サタンの時はなぜか足が動いていた

ここで会っておかないと

話しておかないとだめだと思った

結局何もわからないままだったけど…お前の声が聞けたのは嬉しかったぞ


~現在~


オメガ「サタン…絶対、お前を連れ戻す!」


いや、連れ戻すってのはおかしいか?

でもあいつは何かに縛られてる気がするんだ

だからそいつを取っ払って、俺たちの関係を戻したい!


オメガ「また会おうぜ、兄弟」

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