世界なんて変わらない。

小説狸

第1話スラム街

悲しさなんて、ただの感情だ。

生きてる時にいくら悲しさを感じても、

それはただの一時の感覚でしかない。   





僕は優、15歳だ。

僕は学校に通っていない。


義務教育だろうが、僕の住んでるこの街は法律が適用されない。


そうこの街は政府や国ですら管理することもできないのだ。

理由は簡単、半径10キロメートル、この街は一時的な刑務所だからだ。


この街には人間と離れた存在、nerdがいる。

そのnerdが外に出て暴れないように閉じ込めているんだ。

nerdは一人一人に能力がある。例えば炎を出す能力、光を操る能力、などがある。さらに見た目は人間と全く同じなのだ。

だからここにnerdを閉じ込めている。

そしてその中に住む僕はただの人間、でもここで生まれたのだから。




ある日、僕の家へ外に出たいかいと尋ねる男が現れた。僕ははいと適当に言ってしまった。

そう言うと男は僕を連れて行った。


スラム街らしい薄暗い光と、

嫌な匂いが鼻の中に広がり、吐き気を催す。


「私はね、この世界に住むnerdは別に悪くないんじゃないかなって思っているんだ。」


その常識から外れた事を聞いて僕は、声を荒げた。


「nerdなんか、人間じゃないんだ!

奴らの所為で、僕の両親は死んだ。

殺されたんだよ!

なのに、

分かってる振りなんかして正当化しないでくれよ!」


その明成の発言はもう可笑しい。

そう思った。

男は少し眉を顰めて、喋り出した。


「確かに、すまなかったね。」


「はい。すみませんでした。」


「いや、いいんだ。

で、自己紹介を忘れていたね。

私の名前はないんだが、コードネーム的な物はある。

クラミだ。」


「クラミさん?」


「ああ」





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