余談35 法学部→法学研究科→税理士という道を選んだ君へ

 これだとそれでやっと零細企業のサラリーマンと同等の給料もらえるかなって感じ。ちなみに経営学部→経営学研究科→税理士って道を選ぶなよ。免除科目が会計科目になるから。これ選ぶと「君は会計の基礎も出来ないんだね」となって税理士事務所不採用になるからな。法学研究科税法研究ルートだと税法に関する科目は免除になってそれで日商簿記2級取って税理士事務所で修行しながら会計科目だけアタックして税理士免許取ってなおかつ人柄も良くて独立して前に居た事務所から顧客を引っ張って来て……。それで零細企業のホワイトカラーサラリーマン並みの給料かな。ちなみに税理士というのはおまけで行政書士も付いてくる。ぜひ行政書士の業務もやってみよう。お小遣い程度にはなる。これが最重要で廃業を阻止できる道具になる。


 まあ「商業高校」の項目でもこの部分チラッと言ったね。で、税理士事務所のほとんどの収入は記帳代行つまり事実上のBPOなんだ。つまり正しい経理が出来るかどうかをチェックして複式簿記にしてそこから税務署に代行提出する。やっぱいくら経理ソフトがあると言っても特に中小企業では間違いがあっては大変だから最終的には税理士先生に頼むんだ。たまに社長さんは「経理士」なんて言って税理士先生を怒らせるけど。でも事実上「経理士」なんだ、税理士と言う職業は。


 ここでまた勘違いするなよ。難易度が極端に違う公認会計士とか目指すなよ。これ目指したら高確率で資格試験廃人だからな。さすがに身の程は知ろう。(※ただしMARCH以上の大学を出たのなら公認会計士を狙っていい。ただし限度は3年間)


 それでも一国一城の主になれる部分が大きいかな。でも……最近さらに会計ソフトが進歩してきてそろそろ税理士って職業が危ないんじゃないかとも言われている。今のところは欧米諸国のように税制度が簡易じゃなく複雑怪奇な税法というガラパゴスな世界に守られているけど。

 それに記帳代行ということは結局派遣社員や経理の事務職員より安いから頼むのであって、給料はお値段の通りだよ。一番大事なのは会計マシーンになったらこの資格はただの無駄。結局最後は癖の強い中小企業の社長の心をつかめるかどうかで会って「営業」というものからは逃げられない。それに行政書士免許も並行して使うということは相手は風俗営業の許認可も要求してくる可能性が強いという事だ。特にパチンコね。


 答え:この道はこれだけの苦労して修士まででてこの給料じゃ親が税理士事務所の社長でない限り意味は無いと思うぞ。ただし君が会社組織に向いてない文系でかつ経理の素質があったら目指してみるのは大いにあり。なお税法研究で新しい発見をして博士後期に入ってちゃんと課程博士号を取れたらFラン大でも人生大逆転だ。そうだね、大学教授の道が本当に開けて来たって事。またこの書き込みから分かるように行政書士試験そのものに意味はない。行政書士単体ではとてもじゃないが食えない。ということで行政書士を目指している人こそぜひこの「法学研究科→税理士ルート」を真剣に考えてくれ。だって、税理士になればおまけで無試験で行政書士免許ももらえるのだから。あと簿記1級→税理士なんて言うルートも辞めてほしい。資格マニアほどこの道を取りたがるけど。何度も言うけど資格マニアに待ってる未来はただのニートだぞ? 資格ってのは所詮食うために仕方なく取るものに過ぎない。資格は偏差値ではない。最後に法科大学院→弁護士+税理士というルートを考えてる人に。残念だけど簿記という世界は一種の才能と経験値の世界だ。誰もが出来る仕事じゃないから中小企業の社長さん達は税理士に記帳代行してもらってるのだしね。


 

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