第6話 浮気現場目撃!
「..............................いつまで連絡してけぇへんつもりよ!」
今日はもう12月23日やのにまだ連絡きてへん。
こんなに連絡ないとか付き合いはじめてから初めてやし。
刃銀が大学入ってきてすぐ、私らのサークル入ってきて。割とすぐの頃から刃銀はずっと私にアプローチしてきてた。
向こうから連絡してきてたし、付き合う前から含めても、2週間も連絡途絶えることすらなかったのに、今回はもう2ヶ月たった。
私のこと試すって言ってもさすがにちょっと長すぎるんちゃう?
私のことなめてるやろ。
もしかして、クリスマス、私から誘ってくるの待ってるとか? いや、そうやとしたら男らしくないなぁ。
愛情を試していいのは女の子側だけ。男の子側がそういうことするとか女々しいわ。
って思ったらムカついてきて、ついつい声に出して怒鳴ってしまった。
「
私の怒りの叫びに反応してきたのは、ベッドの横で、上半身裸のままスラックスにベルト通してる男の人。
さっきまで私の上で下で横で腰振ってた浮気相手の先輩、
腹筋もうっすら割れてて、全体的にスラッとしてるわりには筋肉質でいい感じ。
この人にさっきまで乱暴に抱かれてたと思ったらちょっと照れる。
けど、そんなことよりも今は刃銀が連絡してけぇへんことのイラつきが勝ってる。
「私の彼氏が全然連絡してけぇへんって話したじゃないですか!? もう2ヶ月くらい連絡ないし、明日はクリスマスイブですよ!? っていうかあと2時間で24日やし! まだなんも言ってけぇへんとかありえへん! 絶対私から連絡してくるの待ってるんですよ!」
「ん? あれ、そいつとはもう別れたんじゃなかったの?」
端月さん不思議そうな顔しながら変なこと言ってくる。
「いやいや、別れてませんて。あっちがなんか拗ねて出ていって、私のこと試してるだけ。そのうち反省して帰ってくると思うし」
「反省? よくわからないんだけど、咲水ちゃんが俺と浮気したって話をして、それで彼が別れるって言って出ていったんじゃなかった?」
「それはそうですけど、それはアイツが私のこと試してるだけなんですよ、絶対」
まぁ刃銀と付き合いのない端月さんにはそういう刃銀の行動とかはわからんか。
「刃銀は私のこと大好きですからね。1回2回浮気したくらい大丈夫なんですよ。でも、悔しいから拗ねて別れるとか言って、私がヨリ戻そうって言ってくるの待ってるんですよ。私がいっつもそういうやり方するから真似してきたんやと思います」
「ふーん、そうなんだ」
あー、言葉にしたら余計イラついてきた。
刃銀がヨリを戻そうって言ってきても、しばらくは冷たくしよ。
あ、そうや!
「今更連絡してきても25日まで無視したろ。そんで25日も予定入ってるって言ったら悲しむやろうし、めっちゃ反省して二度とこんなアホなことせんようなるやろ! いいと思いません!?」
「んー? あー、まぁいいんじゃないかな? あはははは」
あんまり興味なさそう。いや、もしかして私が他の男と仲いいとこ知って嫉妬してるんかな?
端月さんも、結構可愛いとこもあるやんか。まぁ可愛さでは刃銀にはかなえへんけど。
まぁいいや。
「ですよね! 刃銀にちゃんと後悔させな!」
「そろそろ帰ろうか。いつまで裸でいるつもりだい?」
私は行為の余韻でダラッとしてたのに、端月さんはサクサク帰る準備してる。
明日も仕事早いからって言ってたけど、最近、えっちの後のいちゃいちゃ時間が短い気がする。気のせいかな?
まだ終電まで1時間半くらいあるし、ゆっくりしてくれてもいいのに!
「ちょっと待ってくださいよぉ〜」
端月さんに急かされて、急いで服を着て精算して部屋を出た。
エレベータで1階に下りてる間、私らは無言やったけど、私は端月さんの腕にしがみついて、頬擦りつけといた。
そしたら、端月さんは私の頭をワシャワシャってなでてきた。
刃銀やったら優しく撫でてくるとこ。あれ気持ちいいんよね。身体じゃなくて心が満たされるっていうか。
しゃーない。仲直りしたら刃銀にもこうやってスリスリしたろ。絶対喜ぶやろなぁ。
クリスマスに私とデートできんくて絶望して、その後すくい上げたったときの刃銀を想像してたらめっちゃ楽しい気持ちになる。
けど、そんな気持ちに浸ってたところ、変なうるさいカップルの声に水をさされた。
「もうっ、早いよっ! タッチするのは部屋に入ってからにして!」
「あはは、ごめんごめん、楽しみすぎてさぁ。どの部屋にするかなぁ。あ、こことかキレイそうちゃう?」
「えーっ、何そこ。変態なことする部屋っぽいんだけど!」
「いやいや、そもそもここ自体変態なことするホテルやから!」
「そうじゃなくて! ほら、ここ、壁に手錠掛かってるし、普通じゃないことする部屋なんじゃないの!? もっと普通な部屋にしようよ!」
「あはは、そうかもな。んー、
「うーん、わかんないけど、そこでいいと思う!」
ホテルの出入り口のとこ、部屋を選ぶパネルの前で騒がしいバカップル。
酒が入ってるんかして、無駄に声おっきい。
........................って、あれ?
カップルと思った男の方......。
「んじゃあここにしようか.............『刃銀!?』............って、うわっ、
「あ、この人が?」
刃銀の浮気現場見つけてしもた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます